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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

現代人には鯛の養殖物の方が美味しく感じるのかも

鯛の刺身

腐っても鯛、鯛に含まれるイノシン酸は壊れにくい

鯛のような磯魚は、カツオやマグロのように長時間全速力で泳ぎ続ける必要はありませんが、餌を捕獲したり、敵から逃げるときに瞬発力を発揮する必要があります。そのため、磯魚は筋肉の収縮が敏速ア白い筋肉が発達します。

このため、鯛のような磯魚、他にはヒラメのような底魚はたいていが白身魚になります。

瞬発力の強い筋肉が発達した白身は、赤みよりも硬くコリコリとした食感に特徴ができます。美味しい白身魚はコリコリとして、歯ざわりまで楽しむことができます。

一般的に白身の魚は、赤身の魚よりも鉄と脂肪は少ないものの、タンパク質を豊富に含んでいます。さらに、ビタミンはバランスよく含みます。マイナスな点は、ミネラルが少ないという特徴がありますね。

さらに鯛は、タンパク質抗生物質であるアミノ酸のうち、旨味が強く、壊れないイノシン酸を豊富に含んでいます。

イノシン酸は死亡直後から増え始め、ある程度時間が経過する連れて分解されていきます。しかし、鯛に含まれるイノシン酸は他の白身魚よりも分解速度が遅く、死後長時間経過しても旨味成分が残っています。

これが"腐っても鯛"と呼ばれる由縁です。昔の人は旨味に釣られて、本当に腐った鯛を食べていたんだろうな・・・

現代人は養殖物の鯛の方が美味しいと思うかも

白身魚は赤身に比べると脂肪が少ないのですが、春の産卵前の鯛に限っては、一年中で最も脂肪がのっていて、桜鯛と言われて特に人気と値打ちが高くなります。

天然物の鯛は高価なので、高級料亭などで使われますが、価格が手ごろな養殖魚なども増えてきて、おっぱんの鮮魚売り場に並ぶのは、そのほとんどが養殖魚です。


養殖魚もよりプロの料理人でなければ気づけないほど味が良くなっていて、栄養面においても遜色ありません。

まぁ、天然の鯛の方がより身が引き締まった食感があり、脂肪分が少ないですが。最近の日本人は一般的に脂っこい食べ物を好むようになったので、魚でも例外ではなく、お寿司屋さんに言わせれば、天然の鯛よりも養殖の鯛の方が美味しいと感じる人が増えてきたそうです。

養殖物はさらに餌の影響で、ビタミンB1が豊富に含まれています。ビタミンB1は、ご飯など糖質を利用効率を高め、疲労回復や食欲不振の解消に効果があり、そのため脂肪として蓄える量を抑えてくれます。

免疫が弱ったときにもぴったりな食材

「赤身の魚よりも白身の魚の方が消化吸収されやすいので、離乳食には白身魚がよい」とされていましたが、両者の間に賞か吸収率の差はほとんどありません。

白身魚の方が脂肪が少ないこと、アレルギーの原因となる成分(ヒスチジン)が少ないことなどのために、消化吸収力が弱く免疫力が十分ではない乳幼児にとっては嬉しい食材です。

これは当然、消化吸収力や抵抗力が低下してしまっている高齢者の方にも同じように言えることです。高タンパク質と低脂肪の鯛は高齢者にとってもぴったりの食材ですね。

もちろんダイエット中であっても食べて大丈夫な食材ですね。

先ほど腐っても鯛と言われる理由を書きましたが、旨味は落ちないと言いましたが、細菌の繁殖が抑えられている訳ではありません。死後の時間が経過すれば、鯛であっても他の魚と同じように細菌が繁殖してしまいますよ。

あら煮を食べれば魚の栄養をまとめて取得する

鯛の身は脂肪は少ないのですが、DHAやIPAなどの不飽和脂肪酸は意外にも多く含まれています。(DHAやIPAは青魚だけでなく、マグロや鯛でも摂れるんですよ。)

特に養殖物の鯛は、トロと同じくらいのDHAを含んでいて、数値は調べ切れていませんが、眼や頭などの脂肪分にはさらに多くの不飽和脂肪酸が期待できます。

したがって、鯛の兜焼きやあら煮などは、DHAやIPAを効果的に摂取できる健康的な調理法と言えます。ただし、味付けを濃くすると塩分の過剰摂取につながり、高血圧を招いてしまうので要注意。鮮度の良いあらを求めて、気持ち味を薄くしてよいでしょう。