Love Lab Kitchen

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肉に比べて魚の方が火の通りが速い、魚肉はパサパサになる前に仕上げること

焼き魚の火の通り方

魚肉は他の肉よりも火の通りが速い

ワインと同じように、肉にも赤と白があります。牛肉は赤、魚は白がほとんどです。サーモンのピンクはワインのロゼというところでしょうか。

サーモンがピンクなのは、エサに殻がピンク色の甲殻類を食べているからです。フラミンゴがピンク色の羽毛にまとわれているのと同じ理由です。

色の違い以外にもあります。色の違い以外にも、獣と魚では使っている筋肉が異なります。

料理をしていると、白身魚は赤身の肉よりも火の通りがずっと速いことに気づいたことはないですか?

獣肉と魚肉の筋肉の種類の違い

まず、水中を悠々と流れに沿って泳ぐのは、重力に逆らって草原を走ったり、空中を高速移動したりするのと比べれば、筋肉増強エクササイズと呼ぶには値しません。そのため、ほとんどの魚の筋肉は獣の筋肉ほど筋肉質になっていません。マグロやカツオなどの活発に流れに逆らって泳ぐような魚は、赤い色素のミオグロビンが多く生成されているため、身の色が赤くなるのです。

さらに、重要なのは、魚は陸に住む動物とは根本的に異なる種類の筋肉組織をもっているという事実です。他の動物の筋肉が走るために必要とする、長時間の耐久力とは対照的に、魚に必要な筋肉は捕食魚や空中から狙っている鳥などから瞬時に逃げるための瞬発力が求められているのです。

一般的に筋肉は繊維の束でできていて、魚の筋肉の抗生物質ため、身体で圧倒的優位を占めているのは、速筋線維と呼ばれる、速いスピードで収縮する筋肉繊維です。これは陸上動物のほとんどに見られる、大きくて収縮速度の遅い筋肉線維よりも短くて細いのです。

したがって、嚙んだりして引き裂くことも、調理の熱などで化学変化を起こさせることも容易にできます。ステーキ肉を生で食べるためには、私たちの急死で嚙み砕けるよう、細かく刻んでタルタルステーキにしなければなりませんが、魚は刺身にして生で食べられるほど柔らかいのです。

魚肉が他の肉よりも柔らかいもう一つの理由は、魚は原則的に無重力環境に棲息しているため体の各部位を重力に逆らって支え、骨格に結びついておくためにほかの動物が必要とする、軟骨、腱、靭帯などの結合線維をほとんど必要としないことです。

ですから、魚はほとんど筋肉でできていて、筋っぽく噛みごたえのある物質はないに等しく、骨格部門は単純な背骨に毛が生えたような程度で十分です。結合組織の欠如は一方で、加熱するとすばらしくジューシーなゼラチンになるタンパク質、コラーゲンの欠如を意味します。


魚を加熱調理したとき、他の多くの肉よりもパサついた仕上がりになりやすい理由の一つがこれです。また、変温動物の魚は断熱材としての脂肪をあまり必要とせず、これもジューシーさに欠けるもう一つの理由になっています。

魚の調理は加熱しすぎないよう注意

以上のような理由から、魚に関する重要な課題は、調理の際に加熱しすぎないようにすることです。ちょうど卵白に含まれるタンパク質に起こる変化と同じように、タンパク質が透明さを失って半透明になりますから、そこで加熱を止めなければなりません。


魚を加熱しすぎると、筋線維が収縮して肉を縮め、硬くし、同時に大量の水分が失われて肉の組織が干からびるため、身がパサパサして硬くなってしまいます。加熱時間の大体の目安は、身の厚さが2、3cmなら8分から10分といったところでしょうか。