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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

茄子はゴマ油を塗って焼き上げると、淡白な味にコクが深まり、パサパサになりにくい

茄子

茄子にゴマ油を塗って焼くとコクが深まり、食べごたえも増える

油を塗ると、淡白な野菜の味にコクが加わるとともに、切り口から水分が蒸発しないため、パサパサになるのを防ぎます。また、水溶性の成分が流れ出るのを防ぐ働きもあります。

茄子の焼き物でポピュラーなのは、夏にはショウガ醤油とオカカでさっぱり食べる「焼き茄子」だが、秋になったら「しぎ焼き」など、もうちょっとコクのある料理も楽しみたいです。

「しぎ焼き」とは、ゴマ油を塗って焼いた焼き茄子に、ちょっと甘めの練り味噌を付けて食べる日本料理です。名前の由来は焼き上がりの形が島の「シギ」に似ているからとも、昔は茄子にシギの肉を詰めて焼いたからとも言われています。

丸ごと直火であぶる「焼き茄子」に対して「しぎ茄子」にするときには、切り口にゴマ油を塗ってから焼きます。このひと手間をかけないと、ボソボソしておいしくありません。


茄子の切り口にゴマ油を塗る理由は、先に述べた通り、焼いている間に切り口から水分が蒸発してしまうのを防ぐためです。

ナスはそのほとんどが水分で、しかも組織が粗いため切り口をそのままにして高温で焼くと、水分がどんどん蒸発してパサパサした口当たりになってしまいます。切り口に油を塗っておけば、油の膜が水蒸気を閉じ込めるのでしっとり焼きあがります。

ちなみに茄子を丸ごと焼くときは、あのつるつるした皮が膜の代わりとなり、ある程度水蒸気を閉じ込めながら加熱することになるので、とくに油を塗る必要はありません。


さらに、茄子そのもの持ち味に加えて、ゴマ油のコクとなめらかさ加わっておいしくなります。和洋中のすべての料理において、茄子と油は相性がとてもよいでしょう。


しぎ焼きの場合はゴマ油ですが、洋風にするならオリーブオイルが相性抜群。オリーブオイルで揚げてもよし、表面に塗ってオーブン料理にもよいでしょう。

野菜に油を塗って焼くと栄養の流出を防ぐことができる

油を塗って焼くのは茄子だけではありません。ピーマンやタマネギなどの野菜も、油を塗ってから焼くひと味違います。野菜のおいしさを、油の風味が引き立ってくれるのです。


少量の油を切り口に塗るくらいなら、カロリーはそう違いません。栄養面からみてもメリットがあります。

野菜を加熱していくと、やがて組織が壊れて野菜がやわらかくなります。包丁で切りっぱなしだと、このときに水分とともに水に溶ける旨味や栄養分が流れ出してしまうのです。しかし、油を塗っておくと油の膜がその流出を防いでくれるのです。