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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

天ぷら油って普通のサラダ油と何が違うの?

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天ぷら油も実は奥が深いのです

天ぷら油は、サラダ油とほとんど同じ原料です。簡単に言えば、天ぷら油から低温で固まる成分を取り除いたものがサラダ油です。カロリーはほとんど変わりません。

食品売り場に行くと、いろいろな種類の植物性油が売られている「天ぷら油」「サラダ油」「ゴマ油」「オリーブオイル」・・・用途によって使い分けている人もいるだろうし、すべての油料理はサラダ油一筋、という人もいるでしょう。

サラダ油と言っても、もちろんサラダから作った油ではありません。日本では、ナタネ油とダイズ油を混合したものが多くあります。メーカーそれぞれが独自のサラダ油を開発しており、油の混合比率や絞り方を工夫したり、ナタネや大豆以外の原料を使ったりと、百花繚乱です。


サラダ油はクセがないため、どんな油料理にも使いやすい。もともとサラダのドレッシング用に作られたもので、冷えても色が濁らず、さっぱりした食感が保てるように、精製の度合いを高めてあります。


天ぷらは、サラダ油だけで上げても構いませんが、そこにゴマ油を加えるとプロの味に近づきます。ゴマの香りとコクが加わると、じつに旨味が深まり、衣にもうっすらとキツネ色がかかります。


ただし、ゴマ油だけを使えばよいというわけではありません。ゴマ油は精製度が低いため、単独で使うと油切れが悪く、くどすぎる天ぷらになってしまいます。さっぱりとしたサラダ油と組み合わせるのがコツです。


混ぜるゴマ油の割合は、3割~8割と好みによって様々。香ばしく味が濃い江戸前の天ぷらが好きならゴマ油を多く使えばよいでしょう。関西ではさっぱりした白っぽい天ぷらが好まれるものでゴマ油の割合が低いと言われています。

ゴマ油以外にも、オリーブオイルを入れてちょっと洋風の香りを出してみてもよいでしょう。ゴマ油もオリーブオイルもサラダ油よりも酸化しにくいので、その点でも便利です。

植物性油脂を紹介

様々な植物性油を紹介しておきましょう。いろいろと調合して自分だけの天ぷら油を調合するのも料理ギークにとっては楽しいことでしょう。

ゴマ油

香ばしい風味とコクがあり、色は透明なキツネ色。天ぷらはや炒めものなどの風味を加えるために使われます。天ぷらの衣にもうっすらとキツネ色を付けることができます。

オーサワ 京都山田のごま油 275g

オーサワ 京都山田のごま油 275g

サワフラワーオイル(紅花オイル)

サワフラワーオイルは、リノール酸やオレイン酸を多く含むため、血中コレステロールの増加を防ぐと言われ、愛用している健康オタクも多いでしょう。健康に気になる人は、ドレッシングやマヨネーズにはサワフラワーオイルが含まれているものを選ぶのが良いでしょう。

有機栽培べに花一番高オレイン酸 500g

有機栽培べに花一番高オレイン酸 500g

ピーナッツオイル(落花生オイル)

中国で高級な揚げ物に使われるピーナッツオイルは、香りがよく大変美味ですが、扱いが難しくて高価。

ユウキ ピーナツ・オイル(花生油) 920g

ユウキ ピーナツ・オイル(花生油) 920g

コーンオイル

コクがあって、ドレッシングやマヨネーズに向くのはコーンオイル。熱に強く、酸化しにくい。また風味も変わりにくい、長期に保存したいときにはコーンオイルを使いたい。

綿実油

天ぷら専門店で多く使われているのは、風味にクセがなく、しかも酸化しにくいので、ワタの種子からとった綿実油が使われています。まろやかな風味も特徴的。

岡村製油 パセリ印 綿実サラダ油 1380g

岡村製油 パセリ印 綿実サラダ油 1380g

米油

天ぷら専門店では、綿実油に混ぜて米糠からとった米油を天ぷら油に混ぜて使われています。風味にクセがなく、酸化や熱にも強い。スナック菓子などにも使われています。

木徳神糧こめしぼり(食用こめ油) 600g

木徳神糧こめしぼり(食用こめ油) 600g

ナタネ油

リノレン酸やオレイン酸が多く、あっさりしている味。天ぷら油原料。

オーサワのなたねサラダ油(ペットボトル)

オーサワのなたねサラダ油(ペットボトル)

パーム油

マレーシアやインドネシアなどで製造されている工業用の油。動物性油脂の中よりも飽和脂肪酸が多い植物性油脂です。マーガリンやケーキなど、お菓子に含まれている油脂です。

オリーブオイル

イタリア料理で一番多く使用される油。特徴のある香りと味。イギリスの研究結果では、1日小さじ4杯のオリーブオイルで心臓病のリスクが大幅に低下する、とも報告されています。油とは思えない健康効果が期待できます。

ヒマワリ油

オリーブオイルと並びヨーロッパで使われている油。オリーブオイルと同様に健康に優れた油で、70%のリノール酸と30%のオレイン酸が多く含まれています。抗酸化成分のビタミンEも多く含まれています。

天ぷら油には動物性油脂の油は使わない方がいい。

天ぷら油のブレンドに動物性の油はどうでしょう?試してみるのも一興ですが、あまりお勧めできるものではありません。(動物性油脂の代表は、ブタの油のラードとウシの油のヘット。)

植物性油脂は融点が低いオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸を多く含んでいます。一方、動物性油脂には融点が高いパルミチン酸やステアリン酸など飽和脂肪酸が多く含まれています。

融点が低い植物性の油0℃近くでもほとんど液状のままですが、ラードやヘッドは温度が下がると白く固まってきます。ラードの融点は28℃~40℃、ヘットは40℃~50℃です。

動物性の油で天ぷらを揚げると、油から出したあっという間に衣が油で固まってしまい、食べられたものではありません。

トンカツや串カツ、コロッケには動物性油脂が合う場合も

しかし、トンカツや串カツなど、フライの揚げ油には、ラードとヘットを混ぜて使うことが多いでしょう。フライの外側はパン粉です。とくに乾燥パン粉を使うと、揚げたてはパリパリ感をとおり越して、口に突き刺さるような硬さを感じることもあります。


けれども冷めるにしたがって油がパン粉の周りで固まってくると、わずかな水分と油とパン粉がなじみ合います。ラードはちょうど体温ぐらいで溶けるために、冷めてきたフライを食べると口に含んだときに油が溶け、しっとり感が出てきておいしくなります。

動物性のおかげで、フライは少々時間が経っても美味しく食べることができます。クセのある油の味も、肉の味を引き立てるのに役立ちます。

コロッケを揚げるときには、サラダ油ではなくラードを使ってみましょう。肉屋さんの昔ながらのコロッケの味が、再現できるはずです。