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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

コーヒーを自宅で美味しく飲む条件

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photo by red ernest

家自宅で飲む1杯のコーヒーを淹れるまでののルーツを辿っていくと、最後にはその豆が栽培されたコーヒーの木に突き当たります。ここから逆に自宅でコーヒーになるまでを追っていくと、どんな条件がコーヒーの味に影響するのか分かるはずです。


生産工程からカップに注がれるまでを順に解説し、何がコーヒーの味を決めるかのポイントを整理していきたいと思います。

品種によって持っている香味の特徴が違う

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photo by kishorebhargava

日本の米に品種がたくさんあるように、植えられたコーヒーの木にも品種があります。大きく2つに分けるとアラビカ種とロブスタ種があります。


アラビカ種の方が高品質で、日本人が普段飲むレギュラーコーヒーのほとんどがアラビカ種。

ロブスタ種はベトナムコーヒーなど苦味を利かせて飲む場合や、工業製品(缶コーヒー、水出しコーヒーバッグ)で触れることが多いでしょう。


アラビカ種には、さらにブルボン種、ティピカ種と呼ばれる古くからの在来種と、かつーら種、スマトラ種などの突然変異種があり、それぞれ風味の特徴を持っています。在来種の方がメジャーで、ブルボン、ティピカ種はワインで言うとカペルナ・ソーヴィニヨンやメルローが人気。

美味しいコーヒー豆を発見したらぜひ豆の品種も抑えておきたいですね。

収穫された農園の「土地力」、「気候」、「標高」で豆の持つ風味が変わる

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photo by Jennie Robinson Faber

アラビカ種は、「高温」「多湿」の気候は苦手で、高温になりやすい熱帯の低地では育てるのが難しいといいます。練った地域では産学の「標高が高い」エリアが栽培に向いており、よほど気候の高さと夜間の気温の低下による寒暖差で、コーヒーの実が引き締まります。


中米各国のように「産地高度」によって豆の格付けが行われるのはこれが理由です。火山灰土壌で弱酸性の豊富なミネラルを含み排水性に優れている、など農園の生育環境も重要です。

欲しいと思った豆の生産農園が分かっている場合は、こうした情報を調べてみると、「生産環境とコーヒー豆の因果関係」が分かってきて、自分好みの豆を見つける手がかりになりますね。

ウォッシュド、セミウォッシュドはよい風味になる

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photo by Coffee Management

精製の前半工程、コーヒーチェリーの果肉を取り除きます。天日で干す(ナチュラル)、果肉を取ってから天日で干す(バブルドナチュラル)、水槽で除去してから乾燥させる(ウォッシュド、セミウォッシュド)など、この生成方法によって味わいが変わります。

一般的にはウォッシュドの方が良い風味になると言われていますが、ナチュラル系の味が好きな方もいるので、自分の好みの豆を見つけたら、どちらの方法でウェットミルされたか調べてみてください。

選別によって豆は格付けされる

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パーチメント(生豆の肉果皮)をとって、生豆にしてから袋詰して出荷する工程をドライミルと呼びます。皮を剝いた豆は青臭いので寝かせてから「選別」します。まず、センサーを当てて黒い豆を取り除き、その後虫食い豆や混入した石などの異物を手で取り除きます。さらに豆の大きさごとに分けるなど、多くの工程があるます。


スペシャルティコーヒーを生産している農園など情報が公開されている部分も多く、私たちが分かることは多くありません。その中で、生産国が付けている豆のグレードが重要な手がかりになります。頭に入れておきましょう。

パッキング方で生豆の状態が違う

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「麻酔に入った焙煎豆」の写真は綺麗な絵柄になるため、たくさんのコーヒー本で見かけますが、コーヒー生産から輸入される「麻袋」の中身は「生豆」の状態です。


生豆も一般的に鮮度が大切で、温度変化や光、熱の影響を受けてしまうため、最近では麻袋から真空の「バキュームパック」で鮮度を保ったり、環境変化に強い「グレインプロ」と呼ばれるビニール素材で運ばれるケースが増えてきました。ネットなどでこういう情報を見かけたら、「その豆の生産者は品質管理に気を付けている、そういう豆は美味しいかも」と評価してもいいかもしれませんね。

焙煎手段より、ロースト度による味の違いを把握する

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生豆を煎る、香ばしさが出ます。生豆に多い「渋味」を持つクロゲン酸などが減って、「苦味」を持つ成分が生み出されて、私たちが飲むコーヒーの味になるのです。自宅でフライパンを使って煎ることもできますが、専門の焙煎業者のレベルにまで達するにはかなりの知識と努力も必要なので、自家焙煎については触れませんが。


専門業者は直火、遠赤外線焙煎、マイクロ波焙煎など、それぞれ独特の技術で生豆の持つ特徴を引き出しています。この分野は専門家に任せて、覚えておいて欲しいのは、浅煎り、深煎りなどの「焙煎の度合い=ロースト」のほう。浅く煎った豆と深い豆では、味わいが大きく変わるため、自分好みの豆はどういう焙煎だと美味しいか、その焙煎度合いに適した抽出器具は何かを知ることが、自宅のコーヒーを美味しくする条件です。

美味しくコーヒーが淹れられない隠れた理由。「フレッシュさ」は何より大切な条件

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photo by Claire Sutton

いったん焙煎してしまうと豆はどんどん香味の劣化や成分の酸化が進みます。焙煎2日後と2か月後の常温で放置した同じ豆を飲み比べると、どんなに鈍い人でも分かる驚きの味の差が出ます。


保管状態の悪い2カ月後の豆は、よく言う泥水のような味になることさえあります。この変質は、豆が高品質かどうかに関係なく、平等にやってきます。焙煎後1週間以内で飲み、飲みきれない分は冷蔵庫に入れるなど、保管に気を使うことが大切。


じゃないと、高品質の豆を購入しても、スーパーで買ってきてすぐに淹れたリーズナブルな真空パックの豆に負けてしまうことも。

やっぱり「フレッシュ」な豆を手に入れることが大切

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photo by Duncan H


豆についての勉強をすると、銘柄で味のイメージがわくようになってきます。でも、そこで安心してはいけません。保管のところでも触れたように、焙煎された豆は鮮度が命。私たちが購入する豆すべてが「焙煎したて」とは限りません。


古い豆を買ってしまうとなどの失敗もあると思いますが、めげずに試行錯誤しながら、フレッシュな豆を販売しているショップを見つけて下さい。

使う器具に合わせた粒度で挽く

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豆は細かく挽いて、お湯を浸透しやすくしてあげることで、初めてコーヒー液が抽出されます。この挽き具合は、大きめの粗挽きの粒から、エスプレッソに使うようなとても細かい粒まで5段階に分けて考えます。

粒度が違うと、お湯が浸透して粉から成分が浸出されるタイミングが違うため、抽出される味に変化が出ます。挽き分けるのは、「使う抽出器具」によって、適した粒度が違うから。自分の使う器具に合った粒度を知ってから、適した粒度で挽きましょう。

また、挽く道具(ミル)によっては、挽けない粒度があったり、うまく均一に挽けないこともあります。道具の個性を理解して挽きましょう。

細かい作業にこだわって味を良くする

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ここからは一番のポピュラーなペーパードリップ式を例にとります。器具の構成は「ドリッパー、コーヒーサーバー、ペーパーフィルター」とシンプルですが、だからこそ上手に淹れるのが難しいとも言えます。

例えば、「フィルターの折り方」という一つ一つの小さな作業でも、折り方が違うと味が変わるという具合です。抽出するときにお湯の温度が下がらないよう、あらかじめつかう器具を温めておく、といった気遣いも味をよくする秘訣です。

お湯の注ぎ方一つで味が変わる

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粉にお湯を注ぐときは「やさしく」が原則。叩きつけるように注いでは、粉が周りに飛び散って、なにより、お湯が粉に浸透せず粉に浸透せず、粉は美味しい成分を出してくれません。コーヒーポットなどの専用器具を使い、粉にゆっくり回しかけるのが基本。

蒸らしはコーヒーの味の方向性を決める大事な作業

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いきなり粉にお湯をどんどん注いで抽出してしまう人を見かけます。また、ちょっとしかお湯を注がないで、粉に浸透しないまま蒸らしを終えてしまう人もいます。最初に注ぐ「蒸らし」は、コーヒーの味の方向性が決まる大事な作業。よく蒸らして、10秒~30秒程度待ってから注ぎましょう。

中心部から渦を描くように注がないと美味しく抽出されない

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お湯を周辺部の粉にもかけようと、フィルターごとお湯に浸してしまう人もいます。フィルター近辺に注がれたお湯は、粉にうまく浸透せず、ただドリッパーの周囲を滞留してサーバーに落ちてしまいます。正しくは「中心部から渦を描くように、フィルターにお湯がかからないよう抽出する」です。

カップの特徴で。とらえやすい味覚が変わる

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意外にみなさん知らないのが「カップの形状」と味の関係。人間の舌は場所によって感じる味が違います。縁が広がっているカップは、酸味ととらえやすく、広がっていないカップは、苦味をとらえやすくなります。淹れたコーヒーの特徴に合わせたカップ選びを。

また、冷やしてからチビチビと飲む方もいますが、コーヒーの香りが空気中に揮発してしまうので3分と言われています。ワインと違ってコーヒーは空気に触れることでまろやかになることはなく、逆に酸化が始まってしまいます。好みもあると思いますが、温かいうちに飲み切ったほうが美味しいですよ。

クリームの種類を間違えるとだいなし

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「コーヒーはブラックに決めている」という人もいると思いますが、淹れたコーヒーの特徴や、1日に飲む回数、その日の体調など、状況に合わせて砂糖やクリームを使うこともおすすめしたいです。

その際に使うミルクはいつもポーションタイプ、なんてことはありませんか?このタイプは脂肪分が植物性なので、濃い目のコーヒーには相性がよくありません。そんなことも知っておかないと最後の最後で、せっかくの香味を損なってしまうこともあります。