Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

フライパンは良く熱してから炒め始めるべし

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炒め物は火の通りよくするために細かく、強火で短時間で仕上げる

炒め物は焼き料理の1種です。人材料の間に鉄板があるから間接焼きといえます。ただ、焼き物は、火に接している底部と、材料の中心部の温度差が大きい。

火の通りをよくするために、炒め物は材料を小さくしているのです。小さいからひっくり返さずに、かき混ぜればよいのです。

性質が異なる材料を一緒に加熱することで、新しい味が生み出されます。材料が小さいから、旨味の成分が外に出てきやすく、おのおのが混じりあうのです。


また、大きな食材全体を均等に味付けするのは難しいが、小さければ加熱途中で調味料を入れても、材料に味が付いてくれます。


言い換えれば小さな材料だと、周囲の旨味成分を吸い込みやすく、同時に外へ旨味成分や栄養成分を流出させやすいことです。

熱の影響をあっという間に受けるから、水分もすぐに蒸発するし色も変わります。激しく動かすから、材料の組織も崩れ、歯触りが変わったり、形そのものが壊れたりしまいます。

かといって弱い火で炒めると、材料から水気が出てきて中途半端な煮物になってしまいます。「炒め煮」を作るとか、玉ネギを炒めて旨味を出す場合には、それでも良いのです。


ともかく、炒め作業のマイナス面を減らし、炒めものらしい炒めものを作るには、「強火で短時間」で調理を済ませるしかないのです。

炒めものは調理の準備段階で勝負が決まります。

まず、鍋の選択。温まりにくい厚手の鍋なら、熱を最後まで保持できます。中華鍋は面積も広く材料を混ぜやすくて炒め物にはいいですが、女性が片手で楽に動かせる重さでなければちょっと辛いのでは・・・


炒める材料は多すぎないこと。鍋の半分ぐらいが限界です。家庭で作った炒め物が、水っぽいあるいは油っぽいのは、入れる材料が多くて調理に時間がかかることが原因の大半です。4人分を一つのフライパンで作ろうとしないで、2回に分ける方が良いでしょう。材料が少ない方が炒め時間も少ないので、全体としての調理時間はあまり変わらないでしょう。


材料はすべて切って、下ごしらえをしておきます。かたい根野菜は、下茹でして火を通りやすくしておきます。調味料も鍋の周りにスタンバイ。調味料が多い時には、はじめから混ぜて「合わせ調味料」してもよいでしょう。

油を入れる前に、鍋を良く熱しておくのを忘れないようにしてください。家庭では火力が弱いですから、中華料理店のように炒めるのは無理とよく言われていますが、煙が出るほど鍋を熱することで火力の弱さは相当カバーすることができます。


しかも常温の鍋から始めるよりも短時間で炒めあがり、栄養分や旨味の流出少ないです。


鍋を熱したら、そこへ油を多めに入れ、鍋を回しながら油が全体にいきわたるようにします。鍋の「油ならし」という作業です。鍋の表面が油になじんでいないと、材料がくっついてしまいます。油ならしに使った油は別の容器に移して、鍋には新たに調理用の油を入れます。


調理に使う油は野菜類では重量の3%、薄切り肉や魚5%、ご飯などは10%程度。油が熱くなったら、すぐに材料入れてよいでしょう。

加熱中に醤油や塩で味付けはできますが、炒めた材料は油の膜に覆われているので、味が染み込むには時間がかかります。味をしっかりつけたいときには、炒める前に材料に下味を付けておきましょう。

慌てずじっくり炒めること

炒めているときにやってみたくなるのが、鍋を大きく動かして材料全体をひっくり返す「あおり」。材料を空中に飛ばし、火の上を通過させることで、水気を一気に飛ばす高度な技は炒めの見せ場。


とてもかっこいいが、それはプロがやってこそ。家庭のバーナーは火力が強くないし、フライパンを使うことが多いので、頻繁にあおると、かえって鍋や材料の熱が下がってしまいます。普通のバーナーを使ってフライパンで炒めるならば、コンロからあまり離さず、地道に炒めたほうがうまくいくでしょう。


野菜炒めなどを、箸で細かくずっとかき混ぜているのはよくないです。熱が逃げてしまいますし、野菜の材料の組織が壊れて水が出てきます。鍋に入れた最初はちょっと我慢して、全体に熱がいきわたるのを待ち、その後で鍋底から全体をひっくり返すようにして炒めていきます。


なお、家庭で小ぶりのフライパンを使うときには、「最強火」にしないで「強めの中火」にしましょう。鍋底が薄かったり、小さくて鍋の縁から火が内部に回り込んだりするようだと、材料の外側だけが熱くなり過ぎて焦げてついてしまうからです。


失敗しそうになっても諦めずに。入れた油が足りなくて炒め物が焦げそうになったら、火をちょっとだけ強めて、油を細く全体に回しいればいいでしょう。また、水気や油気が多くなりすぎるようだったら、キッチンペーパーで吸い取ってしまいましょう。