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ジャガイモはデンプンの甘さの塊、それを高めるチルド貯蔵

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photo by m.gifford

ジャガイモは0℃近くになると甘味がよくなる

最近、1年間雪の中でじっくりと寝かせたジャガイモが人間なのをご存知ですが、このジャガイモ、収穫時より糖が16倍もアップしているというのです。


雪国は野菜を雪に埋めて保存する雪室貯蔵という保存法があります。雪の中は氷点下になりにくく、細胞が破壊されるなどの凍害や、脱水や乾燥を防いでくれるからです。しかし、それだけではなく、野菜は低温で保存すると甘味が増すことも寒い地方では経験的に知られていました。


このような現象は、科学的にも実証されており、「低温糖化」と呼ばれています。詳しいメカニズムはまだ解明されていませんが、ジャガイモの場合、0℃に近づくと凍ってしまわないように、デンプンを分解して糖を作ることが分かっています。


収穫期のジャガイモにはほとんど糖がありません。茎や葉の光合成によって運ばれた糖はデンプンとして蓄えられるからです。
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しかし、温度が0℃に近づくとデンプンの一部がブドウ糖に分解され、その一部は果糖が結合してショ糖となり、ショ糖がジャガイモの細胞の中の小器官に入ると、酵素によって再びブドウ糖と果糖に分解され、結果としてブドウ糖と果糖が増加していくのです。


ジャガイモの保存は、低温で暗く湿度が高いこところが基本です。一般に2~5℃、湿度80%~90%が理想と言われていますが、家庭では台所の隅など直射日光が当たらず、風邪通しのよいところで保存するのが一般的。


しかし、夏場は低温を保つことはできません。

ジャガイモはチルド貯蔵!

そこでオススメなのが、雪室貯蔵を参考したチルド貯蔵、冷凍庫のチルド室ならちょうど雪に埋めた場合と同じ環境を作られるからです。家庭の冷蔵庫では、16倍とはいきませんが、保存して2週間後には甘さが2倍以上アップ。劣化を防ぎ甘味が増す一挙両得の保存法です。


ただし、冷蔵庫内は非常に乾燥しているので、湿度を保つためのひと手間が必要。まずジャガイモを新聞紙で包み、その上から濡れタオルで覆いましょう。そしてポリ袋に入れて口を閉めます。保存の目安は1か月。


糖度が上がると調理の際に焦げやすくなるので注意してください。また、低温保存でデンプンが減少するので粘質になり、男爵イモなどに特有のホクホク感は少なくなります。焼いたりするよりも、煮込み料理などに使うとよいでしょう。