読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

鮮やかな黄色、ちょっと高貴に見せるスパイス、クチナシ

http://www.flickr.com/photos/64151236@N07/22692319803
photo by Christian Kaden

めでたい鮮やかな黄色のスパイス

鮮やかな黄色の「きんとん」は、正月料理には欠かせない料理の一つです。このきんとんの着色に使われるスパイスがクチナシの実です。


クチナシの英名は「ガーニデア」と言いますが、「ガーニデア・ジャスミノイノデス」はジャスミンにちなんで名付けられています。梅雨時に咲くクチナシの白い花の香りは、なるほど西洋のジャスミンに似ています。


クチナシはアカネ科の常緑樹で、日本または中国が原産地です。そのため、主産地も日本、中国、台湾などですが、日本を含めてこれらの国々では団地の山中に自生しています。


栽培は簡単で、挿し木法でできます。しかし、半日陰を好みますので、場所によっては成長しても果実をつける成株にならないこともあります。また、園芸種には果実ができないものが多くあります。一般的には、植えてから2年くらいで開花して結実します。10月から11月ごろに、よく熟した果実を摘み取り、日干しか日陰干しにして利用します。

クチナシの名は果実熟した後も口が開かない、つまり、口がないとの意味から「クチナシ」とい名づけられたと言われています。また、細かい種子のある果実を「なし」に見立て、くちばし状のがくを「くち」と呼んで、くちを備えた「なし」の意味であるという説もあります。


スパイスとして使われるのはこの果実です。花と違って種子にはほとんど香りがないので、もっぱら食品を黄色く色づけるのに利用されます。完熟した果実中には黄色のカロチン系色素であるクロシンが含まれていますが、これはサフランと同じ水溶性の色素成分です。この色素の働きで、黒褐色の外観からは想像しえない鮮やかな黄色に食品を染め上げるのです。


このクチナシの着色作用は、食品以外の分野にも利用されています。日本では飛鳥・天平の昔から布や木工具類を黄色に染めるのに用いられていました。現在でも象牙製品を、いかにもアンチック風に見せるために着色したりするようです。


なお、スパイスとしては一般的に家事を利用しますが、花(花弁)も香りがよいので、酒類の香り付けなどに用いられています。中国にはクチナシの芳香を生かした混成酒があります。ちなみに漢方では完熟した果実を乾燥させたものを「山梔子」といい、消炎、利尿、止血薬に用いています。

クチナシの色素は水溶性、お酒にも溶かして

クチナシの色素は水溶性なので、きんとんのほか、たくあん、おこわ、麺類、ゼリー、キャンデーなどの着色に最適です。工業的にも即席麺の着色にも使われています。


使い方は、乾燥した果実に傷を付けるか、包丁で切り刻み、水に沸かす熱湯で煎じると濃黄色の液が得られます。これを食品の黄色染料として煮汁、漬け汁などに加えればよいのです。


クチナシの実は1回だけではなく、色が出なくなるまで使えます。いったん色素液を取り出した後、さらに水を加えて煎じればよいのですが、当然色調はだんだん薄くなります。色が出にくい場合は、実を細かく砕いてガーゼに包んで茹でるとよいでしょう。


花の芳香を楽しむには、中国の酒の例にならって、果実酒に加えて飲むのも粋なもの。新鮮な花弁は煮て、酢と醤油で味を付けすれば、トロみ感と芳香が味わえます。加熱によって若干の粘り出てくるし、また花弁中に万ニットが含まれていて、わずかながら甘味が感じられるからです。

ギャバン クチナシ 100g 袋

ギャバン クチナシ 100g 袋