読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

料理をちょっとした赤の彩りで美味しく見せるパプリカ

食材の話 食材の話-スパイスの話

http://www.flickr.com/photos/94556563@N03/14175834221
photo by Rianne van de Kerkhof - eyeFramed Photography

料理に華やかな彩りに欠かせないパプリカ

パプリカの先祖は唐辛子(レッドペッパー)と同じカプシカムペパーですが、品種改良によってできた辛くないタイプのレッドペッパーです。


もともとカプシカムペパーはコロンブスが西インド諸島からスペインに持ち帰ったもので、非常に辛いタイプのものでした。しかし、このカプシカムペパーがその後、スペインから世界各国へ広がり、栽培されるようになると、その地方の気候風土の違いから大きさ、色、形態、香味や辛味などが異なるものが続々と生まれてきました。

今では、このレッドペパーの仲間は、カプシカムペッパーの変種として世界に100種類以上が知られています。


そんな中で、16世紀にハンガリーで、辛くないカプシカムペッパーができたのです。当時、この国を攻略していたトルコの名を付けて、トルコペパーと呼んでいましたが、のちにこれをハンガリー語で「パプリカ」と呼ぶようになりました。それ以後、品種は違っても辛くないレッドペッパーは、世界的にパプリカと呼ばれるようになったのです。


そんな歴史を反映して、現在もパプリカの主要生産国はハンガリーをはじめとする東欧諸国、およびスペイン、アメリカが挙げられます。ことにハンガリーでは、名物料理半狩りアングラーシュに欠かせないスパイスとなっています。


パプリカはすべてパウダー状で貿易されていますが、世界の市場では大きくスイートタイプとホットタイプとに分けられています。


スイートタイプは完熟した果実だけを一定の粒度にしたもの。ホットタイプは胎座や種子なども混ぜて粉砕するので、ときにはこれらに含まれる辛味成分のカプサイシンが混ざり、品質評価はスイートタイプより落ちます。一般にはスイートタイプが利用され、日本でもスイートタイプが好まれていますが、生産国ではホットタイプをレッドぺッパーの代わりに汎用しています。


パプリカにはほとんど精油が含まれていないので、芳香性が弱く、わずかに糖蜜様の甘い香りが感じられる程度です。パプリカの最大の特徴は、なんといっても料理に鮮やかな赤い色を付ける着色効果にあります。この赤色成分はカロチノイド色素で、0.1~0.4%含まれています。


様々な料理に赤い彩りを添えてくれる便利なスパイスですが、この色素もよく油に溶けるので、ことに油料理や油を用いた素材の着色に最も適しています。

パプリカはいろんな料理をちょっと美味しそうに見せる

使い方はいろいろ。例えば、チーズ料理や卵料理、サラダなどに適量を加えたり、ふりかけるだけで、赤い色調が楽しめます。また、パプリカの色は熱に対しても比較的安定なので、焼き菓子や煮込み料理などの綺麗に着色することができます。


パプリカには強気香味がないので、たとえた料理に使い過ぎても失敗することがありません。また、パプリカの色素は油によく溶けるので、油を使った料理に加えると、鮮やかな赤い色の着色効果が生かせます。


油に溶ける性質を利用して、ラー油のような赤いパプリカ油を作ることもできます。この油はラー油と違って辛くないので、卵両輪使ったり、赤みを帯びたマヨネーズも作ることができます。


また、パプリカをドレッシングに用いると、油の層は赤くなりますが、ドレッシングが分離しにくくなります。これはパプリカ中に乳化作用をもつレシチンがわずかながら含まれているからです。この場合、マスタードと併用すると、乳化力は倍加します。

パプリカパウダー 100g Paprika Powder

パプリカパウダー 100g Paprika Powder