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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

砂糖の甘さをより強調する甘い香りを醸すバニラ

バニラはアイスに欠かせないスパイス

バニラアイスクリームやブディング、チョコレートなどは、子供たちの大好物。こうしたお菓子類の芳香付けとして欠かせないのが、バニラやバニラエッセンスです。


バニラはメキシコ地方を原産とするラン科の常緑つる性草本植物です。野性の状態では森林の気にはい上がり、20メートル以上にも育つことがあります。スパイスとしては莢状の果実を用います。バニラの語源はスペイン語で“小さな莢”を意味していますが、実際のバニラの莢は細長く、長さ12~25センチもあります。

バニラはチョコレートともにヨーロッパに伝わりました。1520年、ヘルナン・コルテスの率いるスペイン軍がメキシコを征服したとき、現地のアズテック王が、コーンパウダーとココアパウダーに、黒色のバニラの莢の粉末と蜂蜜で風味付けをした“チョコラート”という飲み物を飲んでいることを知りました。


これらがあまりにも美味しかったので彼らはこのバニラを本国に持ち帰り、バニラ入りのチョコレートを作らせたのが始まりと言われています。これがきっかけとなって、バニラが世界中に広まったようです。


その後のバニラは医薬品としてイギリスやドイツ、アメリカなどの薬局方に長年記載されていましたが、今日では医薬的な効果はほとんど認められていないようです。また、得も言えぬ甘い芳香感に魅力が感じられるところからは、昔は催淫薬として使われていたこともあったとか。


バニラは収穫・加工に手間ひまがかかるところから高価なものとして扱われてきましたが、その芳香は世界中の人々に好まれ、親しまれています。しかもバニラの芳香は食材の甘さ冠を高め、苦味感を弱めさせる効果が期待できるところから、矯味矯臭剤として利用価値が大きいのです。そのため、料理だけでなく、たばこや香水などにも幅広く使われています。主要生産国はマダガスカルで、世界の需要の90%を占めています。


バニラの果実は、摘み取ったままではなんら芳香がありません。採取後発酵させて、はじめて芳香を放ちます。褐色に発酵したバニラの主要芳香成分はバニリンです。莢が発酵すると、果実の表面にバニリンが結晶となって析出してきますので、良品ほど結晶が多いことになります。果実中の配糖体が発酵作用によってバニリンに変わり、芳香を発生させるのです。

バニラの芳香は砂糖の使用量を抑えることができる

バニラの芳香は、砂糖の甘さ感を強く感じさせる相乗効果があるので、うまく使えば砂糖の使用量を抑えることができます。


バニラの莢(バニラビーンズの名で市販されています)を丸ごと、または適当な長さに切って牛乳かクリームにつけて使うとよいです。また、砂糖壺に入れるだけでも十分に芳香がつきます。


一般にはバニラからエキス分を抽出したバニラキストラクトやバニラオイルがお馴染みでしょう。バニラビーンズより香味感は落ちますが、材料に振り入れるだけで手軽に使えるのが魅力です。


ただ、バニラエッセンスはケーキなどの加熱する料理に用いると、熱によってかなり香りが飛んでしまいます。オイルの方が加熱しても香りが安定していますので、エッセンスはアイスクリームやドリンク類に、オイルは焼菓子用に、と使い分けると良いでしょう。


スイートチョコレートの製造に使われるバニラヌガーは、熟成したバニラの莢を細かく粉砕して砂糖と混ぜたものです。

バニラオイル (瓶) 30ml

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