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エスカルゴに欠かせない、食通が好むスパイス、タラゴン

http://www.flickr.com/photos/67096323@N04/8393033799
photo by *Pasha*

タラゴンはスパイスとしては歴史が浅いスパイス

タラゴンはキク科の多年草で。葉の形はまったく異なりますが、日本のヨモギの近接種です。「タラゴン」は英名ですが、日本ではフランス名の「エストラゴン」の方が有名です。


もともとタラゴンの英名は、フランス語の「エストラゴン」がなまったものです。語源には二つの説があり、一つは毒蛇に噛まれた傷をタラゴンが治すことから付けられたというもの。もう一つは、このタラゴンの根が、ちょうど蛇がとぐろを巻いているように見えるからです。

タラゴンの栽培品種は大きく分けると、フランス種とロシア種とがあります。このうちスパイスとして商業的に栽培しているのはフランス種ですが、同じフランス種のタラゴンでもフランス産とドイツ産とでは、正常も香味特徴もかなり異なります。


一般にフランス種は種子を作らないため、栽培は挿し木が株分けで行います。したがって、園芸店で売られているタラゴンの種子は全部ロシア種子です。苗を求めるときもよく確認する必要があります。タラゴンは野性的な性質のため、栽培も管理も容易で気候の温和な地域であればよく育ちますが、温暖で乾燥し水はけがよく、土質の軽い日当たりの良い場所が生育に適しています。


スパイスとしての歴史は比較的新しく、料理に使われるようになったのは中世以降、13世紀のスペインの薬剤師イブナル・ベイタールは「タラゴンは野菜類の調味料また睡眠薬口中清涼剤などに用いられる」と述べています。日本には大正4年頃に渡来し、薬草の見本として植えられました。


タラゴンは年に数回収穫されますが、開花直前に収穫したものと、通常時に収穫した場合とでは、香味の強さや質の面で差があります。一般的にタラゴンは、同一条件で栽培しても香味特徴がかなり異なったりします。また、同一株で何年も収穫していると、だんだんとタラゴン特有の香味が弱くなるので、3年~4年ごとに栽培を一新して株分けをする必要があります。

フランスでは食通が好むスパイス、タラゴン

評価の高いフランス種は香味感が強く、アニス様の甘い芳香と、わずかにセロリーのような芳香を持っています。このアニス様の芳香成分はメチルシャビコールで、多く含まれているものほど甘い感じがします。開花直前には収穫したものが強い香味をもつのは、この時期にメチルシャビコールが最大になるからです。ロシア種タラゴンはアニス様の芳香がなく、全般に香味が弱いのが特徴です。


フランスではタラゴンは“食通の好むハーブ”として広く用いられ、とくにエスカルゴ料理には欠かせないスパイスと言われています。


柔らかな香味を生かし、ピクルスやマリネによく使われます。フランスではタラゴンビネガーが市販されていますし、家庭でも作ります。白ワインのビネガーにタラゴンの若葉を漬け込むだけでよく、二~三か月でタラゴンの香味を十分に味わえます。


このタラゴンビネガーを用いて、サラダドレッシング、マヨネーズなどを作ってもよいでしょう。また乾燥した葉とビネガーをひと煮立ちさせれば、即席のタラゴンビネガーに。


タラゴンの芳香と若干の辛味は、エスカルゴ料理、鶏肉料理などに臭みを消す目的で用いることもできます。タラゴンによるこの効果はさほど強くありませんが、一般的な鶏肉、魚料理などに、臭み消しを兼ねたガーニッシュ(飾り薬味)として用いれば広く使えます。


また、オムレツなどの卵料理にきざんで加えれば、卵の臭みを消して風味をよく仕上がります。バターやクリームにもよく合うので、これらをベースにしたピューレーやソース、スープにも、風味づけとして使うとよいでしょう。

フレンチタラゴン 調味用 食用ハーブ 1パック約15g

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