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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

清涼感が魅力の目覚めのスパイス、ミント

食材の話 食材の話-スパイスの話

http://www.flickr.com/photos/57949897@N00/20365511356
photo by Jerzy Durczak (a.k.a." jurek d.")

ミントは世界で最も広く使われているハーブ

ミントは世界中で最も広く使われている、シソ科の多年草です。

植物的には生育に強い反面、交雑しやすく、変種がきわめて多いという特徴を持っています。世界には500種類以上も変種があると言われていますが、栽培種だけでも約20種を数え、またその形状もわずかながらそれぞれ異なっています。


ミントも名称も植物の学名だけでなく、最近は香りの特徴からつけたアップルミント、ジンジャーミント、オレンジミント、ベルガモットミントなどの俗称が、けっこう広く使われています。


一般的には精油の性質や用途面からからミントを大別することができ、大きく和種はっか(クールミント)、ペパーミント、スペアミント系の3タイプに分けられています。


ミントの語源はギリシア神話に由来し、ミントという女神がこの植物に生まれ変わったことから、女神の名をとってつけられたと言われています。日本では「ハッカ」と呼ばれていますが、古くは「めぐさ」「めはりぐさ」などと呼ばれていました。目が疲れたときにこの葉を、まぶたにこすり付けると、効きめがあることから付けられたのです。


ローマ時代には食用以外に薬用や香料としても用いられ、食卓でミントの葉を揉んで香りを漂わせ、客をもてなす風習がありました。また、古代のヘブライ人はミントの葉を集会場床に敷き、足で踏むたびに狭い快い香りが周囲に漂うように気配りしたと言われています。そして、ローマ兵によってローマ帝国全土に伝播され、九世紀にはヨーロッパ中の修道院の庭で栽培されるようになったのです。

爽やかで目覚めに良い芳香

ミントはスパイスとしては主に葉を用いますが、ミント全体に精油を含むので茎も利用されます。


爽やかで透き通るような清涼感は、和種ハッカ、ペパーミントの主成分であるメントールによるものです。この芳香は葉を揉むだけで十分に感じられます。対してスペアミント系の主要香気成分はカルボンで、ペパーミント系よりも清涼感が弱く、やや青臭く感じられます。


日本人は従来、和種ハッカやペパーミント系のメントールの香味を好み、スペアミント系の香味は敬遠されがちでしたが、最近では日本でも徐々にスペアミントの需要が増大しています。欧米では料理でミントといえば、普通スペアミントを指すほど、昔から広く親しまれています。


なお、メントールには鎮痛、鎮痒、防腐、殺菌などの効果があるため、広く医薬分野に使われていました。

料理には少しの量をちょっと添える程度

料理の目的によって、生の葉、乾燥した葉、精油をアルコールで溶かしたエッセンスをそれぞれ使い分けたいものです。


生の葉には悪臭成分や苦味成分が含まれていて嗜好性が強いのですが、少量をサラダに加えたり、ケーキやアイスクリームに添えると、味と香りのアクセントになります。ハーブティーにすると葉を直接食べないで、ミントの芳香だけを楽しむことができます。また、ミントを用いたミントゼリーやミントバターなどもあります。


地中海沿岸、中東、ヨーロッパの国々では、ラムやマトンの料理にミントを用いますが、この場合は生よりも乾燥葉の方が向いています。


ミントの清涼感は砂糖の甘味とよく調和するので、ドロップやキャンデー、ゼリーなどのお菓子類によく使われます。この場合はエッセンスが使いやすく、すっきりした味に仕上がります。


いずれにしても、ミントの香りはかなり強いので、使いすぎないように注意してください。

ミントのチカラ

ミントのチカラ