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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

酸で骨から煮汁にカルシウムを溶かしこんで、美味しく健康に!

調理法の話 健康の話 健康の話-栄養の話 調理法の話-煮る話

http://www.flickr.com/photos/89965849@N00/3130388470
photo by takaokun

長生きするためにはいい骨を作ること

世界一の長寿国でとても重要な栄養素がカルシウムです。加齢による骨量の減少で起こる膝や腰、様々な関節の痛みは活動範囲を狭めてしまいます。骨量の減少は、男女ともに起きますが、減り方には違いがあります。

男性は10代の成長期に爆発的に増加しそれがある程度維持され、50代くらいから少しずつ減っていきます。一方、女性の骨量は、女性ホルモンのエストロゲンに影響を受けているため、初潮の2~3年後に増えるとそれが維持されるのですが、閉経により激減します。女性に骨粗鬆症が多いのはそういった理由があるのです。

骨量は増加させ、骨を強くする栄養素にはビタミンD、ビタミンK、カルシウムがありますが、食生活に気を配っている人でもカルシウムは不足しがちです。食品から一度にたくさん摂取するとことが難しい栄養素ですが、日々の食事で少しでもカルシウムをとることができるように気を配りましょう。


肉や魚の骨をすべて食べれば、カルシウムを一度にたくさんとすることができます。しかし、小魚や鳥の軟骨以外は、かたく、のどに刺さる危険性もあり、食べる人のほとんどいません。

骨付きの食材を弱酸で煮詰めな

そこで、僕がおすすめするカルシウムの摂取方法は、骨の付いた食材を弱酸性の煮汁で煮ることです。


カルシウムは酸に溶けやすいといった特性を持ちます。イワシの梅煮やアジの南蛮漬のように煮汁や漬け汁を酢などで酸性にする知恵が和食にあります。たとえ骨がそのものを食べなくても、カルシウムが煮汁に溶けだしているので、身にも染み込んでいきます。


煮汁を身にからめながら食べればさらにカルシウムを多くとることができます。

魚だけなく、肉も同じです。骨つきの鶏手羽や手羽元を煮るときに酢を入れれば、同様の効果が期待できます。鶏手羽には、骨の強度を高めるために重要なコラーゲンが多く含まれているので、まさに骨量増加メニューです。


カルシウム流出は、酸が多いほど、煮る時間が長いほど多くなります。また酢酸の多い酢よりもクエン酸の多いレモン汁の方が溶出できます。鶏手羽を煮るときにレモン汁を入れる肉のカルシウムは調理前の2倍、煮汁は約14倍になるという報告もあります。


カルシウムが溶けだした煮汁は煮詰めたり、片栗粉でとろみを付けたりして余すことなく食べましょう。