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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

日本人の嗜好に強くマッチングするシソの魅力

http://www.flickr.com/photos/92533979@N00/180734788
photo by barron

日本のスパイスといえばシソ!

スパイス植物を系統的に分類すると、シソ科が多いことに気づきます。ミント、バジル、セージ、マジョラム、オレガノなど世界的に有名なスパイスは、いずれもシソ科の植物。そして、ここで取り上げる「シソ」、漢字で書けば「紫蘇」も、もちろんシソ科です。


シソは一年草でヒマラヤかビルマ、中国中南部地域が原産地ですが、温帯アジアの各地に分布しています。特に、日本では昔から盛んに栽培されており、その種子が飛び散って各地に広く自生しているのが見られます。


植物的には「シソ」は中国原産の「荏」の変種であり、日本にはこの荏よりも遅れて渡来しました。当時は荏から荏油をとって灯油用に利用していたのですが、シソの実からとれるシソ油のほうが荏油よりも明るいというので盛んにシソが栽培されるようになり、やがて食用の薬草としても広く使われているようになったのです。


10世紀前半に書かれた「延喜式」には、薬用としての青ジソと赤ジソがそれぞれ伊勢、尾張から献上された記録されています。ちなみにシソの「蘇」は、一説によれば、香りが総会で食欲を高め、人を蘇らせるというところから名づけられたと言われます。


シソにもいくつか種類がありますが、大きく葉が緑色の青ジソと、葉の裏表とも紅紫色の赤ジソとに分けられます。この他にも表が緑色で裏が紫色の片面ジソや、葉がちりめん状になったちりめんジソなどがあります。

シソの芳香は爽やかな香り、ただし熱に弱い

シソの魅力はなんといっても、あのさわやかな独特の芳香です。芳香の主成分はペリラアルデヒドで、精油の約50%を占め、ほかにもリモネン、ピネンなどの芳香成分も含まれています。しかし、熱に弱く、加熱すると香味はかなり薄れています。


シソの芳香成分は強い抗菌性と防腐力を持つため、昔は醤油の防腐に用いられていました。また、この成分のオキシム化合体は砂糖の2000倍もの甘味があるところから、甘味剤として利用されたこともありますが、熱や唾液に分解されやすいため今では市場から消えています。


赤ジソの葉には紫紅色素であるシアニン、パラクマール酸エステルなどが含まれています。梅干しは赤ジソを使って赤く染めますが、これは赤ジソの中のアントシアン色素成分が梅に含まれるクエン酸によって分解され、梅を着色するからです。この条件さえ揃えば、ほかの料理の色付けにも応用できます。

日本人はシソを余すことなく料理に用いていた

日本人は昔からシソの芳香を好み、葉はもちろん発酵したての葉ジソも花穂も実も、余すところなく味わってきました。


葉は大量になればいつでも収穫できますが、花穂の出る直前、最も芳香成分を多く含んでいます。特有のさわやかな芳香を楽しむには、さしみのつま、薬味、サラダなど生食がいちばん。炊き立てのご飯に混ぜたり、果実酒の要領でお酒に漬け込んだり、てんぷら、つくだ煮、菓子、塩漬けなどにも使います。シソの芳香は熱に弱いので、てんぷらなどは揚げすぎに注意すること。


シソの実は、漬物やシソの油の原料に利用され、花穂は穂ジソと称して、揚げ物や料理の添えたものに珍重されます。


このように日本料理では様々などに活用されているシソですが、欧米人には必ずしも好まれるとは限りません。香りづけと彩のためにテリーヌなどに加えて勧めても、よく食べ残してしまうようですから、料理への使い方には注意が必要なようです。

[訳あり] 紀州南高梅 梅干し つぶれ梅 しそ漬け 400g

[訳あり] 紀州南高梅 梅干し つぶれ梅 しそ漬け 400g