Love Lab Kitchen

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チーズやパンにヨーロッパでは欠かせないキャラウェイ

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photo by H is for Home

キャラウェイはシードには魔除けの力がある?

ヨーロッパで大規模に栽培されているスパイスにキャラウェイがあります。とくにオランダやロシアで盛んです。同じセリ科のスパイス、クミンに外観が似ていますが、香味の特徴と色合いが異なります。


しかし、フランスではキャラウェイを「牧場のクミン」といい、英語圏でも「アメリカのクミン」とか「山のクミン」などと呼んだりしています。そのためクミンと混合したり、意識的に偽ったりして使われたりすることもあるので注意が必要です。


キャラウェイは草丈が30cm~60cmに達する二年草本で、細く羽根状に広がった葉は、ちょうど人参の若葉によく似ています。栽培は種子をまきますが、春まき、秋まきのいずれでも育ちますが、冬を越さないと開花しないため、結実するのに二年を要します。スパイスとしてはこの種子(シード)を利用しますが、若葉や紡錐型の多肉質の根も食べることができます。

キャラウェイはヨーロッパでは古くから使われていたスパイスで、ヨーロッパ南部の先史時代かの住居跡からこの種子が発見されています。古代ローマではパンの調味料に使われていたと言われ、消化を助ける効果があると考えられていたため、食後にシードやシードケーキを食べる習慣もあったそうです。また、キャラウェイのシードには不思議な魔力があると信じられ、魔除けや媚薬として利用された時代もありました。


家畜のエサの中にキャラウェイを入れておけば家畜が逃げない、という迷信もあり、今日でも地方によっては飼っているハトのエサの中にキャラウェイシードを加えたりする習慣が残っています。こうした様々なエピソードをもつキャラウェイですが、文献によっては、先に述べたようにクミンとの混同が見られます。香味特徴は異なりますが使われ方がよく似ていることから、どうもキャラウェイとクンミは実際に混同して使われていたようです。


さて、キャラウェイの緑色の若葉はパセリやニンジンによく似た香味を持っています。シードは爽快な香りに特徴があり、かぐと穏やかな甘さと若干の酸味、ほろ苦さが感じられます。この香りの主成分はカルボンとリモネンで、純粋なカルボンはそれ自体がキャラウェイのような香りを持っています。


その穏やかな香りは比較的誰にでも好まれ、シードをそのまま食べても美味しいし、肉料理、野菜料理、パンやお菓子、と様々な料理に向いています。使い方をマスターして、もっと食卓に登場させたいスパイスの一つです。

キャラウェイのシードを使って、歯ごたえを残した方が美味しい

ニンジンと似た若葉は刻んでスープやサラダに散らして香りを楽しむとよく、シードはそのまま食べても美味。シードを混ぜ込んだキャラウェイチーズが市販されていますが、家庭ではキャラウェイバターを使っておくと、パンやクラッカーにつけて食べたり、酒席に便利でしょう。バターに生クリームとキャラウェイシードを加え、いったん泡立てたものを冷蔵庫で固まります。


もちろん、チーズ料理にも合うし、わずかに酸味に近い芳香成分を持っているので、サラダやドレッシングなど酸味のある料理にも向きます。ピクルスやドイツのザウエルクラウト(塩漬けキャベツ)には必須のスパイスです。


キャラウェイシードの芳香はマトン矯臭にも効果があります。この場合はシナモンとブレンドして使うことさらに効果的です。


また、爽快な芳香はベーキング料理にも合い、特にライ麦を原料とする様々のパンによく使われています。粉末タイプはケーキ、クッキー、ビスケットなどの風味づけに合いますね。