Love Lab Kitchen

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高貴な甘味と辛味が味わえるシナモン

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photo by hirotomo

シナモンの歴史は古く、高貴な香り

シナモンは日本でもケイヒとかニッケイ、ニッキと呼ばれ、古くから親しまれてきたスパイスです。シナモンの市場での呼称には、シナモンとカシアとがあります。専門家はこの2つを分けて呼んでいますが、一般的には同一と考えて扱って結構です。

シナモンは南インド、スリランカを原産地とするクスノキ科の常緑樹で、樹皮を細長い形状にナイフではぎとり、乾燥させたものをスパイスとして利用しています。スパイスの中ではかなり古くから使われていますが、この甘味な香りは古代から愛を掻き立て、深い愛情を示すものと言われ、王侯貴族の最高の贈り物とされていました。ローマの暴君ネロは、最愛の妻の死を心から悼み、彼の愛のあかしとして、また、死出の旅への最高の贈り物として、ローマ中のシナモンを全部燃やして現実の愛の終わりを悲しんだと言われています。


日本には古くは中国から渡米し、正倉院にも保存されています。また、樹木は享保年間に中国から輸入され、以後急速に国内に広まったと言われています。京都の「八つ橋」をはじめ各地の伝統的な和菓子にもよく使われていますし、香料としても広く用いられてきました。

シナモンの香味は甘い香りと、噛むと辛味

シナモンの香味は、採集部位、産地、種類などによって違いますが、一般に若干の辛味と甘味を伴った清涼感と、独特の芳香に特徴があります。香りは甘い芳香ですが、シナモンスティック(原形状のシナモン)を噛むと辛味も感じられます。クローブやナツメグに似た匂い、と感じる人もいることでしょう。


これは精油の主成分であるシナミックアルデヒドやオイゲノールなどによるもので、料理への使い方もことの特徴を活用するのがコツです。


シナモンの甘い香りは、甘味のあるもの、甘い香りに特徴がある料理に用いると、より甘味感を高める相乗効果を発揮します。そのため、砂糖を多く使ったケーキ、パン、クッキー、プディングなどによく使われています。


また甘い香りはフルーツにも合うので、リンゴや桃のコンポート(シロップ煮)やパイ料理に使うとよいでしょう。特に、リンゴとの相性がよく、アメリカではリンゴジャム、アップルパイなどに習慣的に使われています。

シナモンはコーヒーは最適な相性

シナモンはスティック状とパウダーと、二つのタイプが市販されています。

シナモンスティックは、そのままピクルスやシチュー、飲み物などに用います。シナモンコーヒー(イタリアスタイルでは、コーヒーカプチーノといいます。) やシナモンティーなどにも、このシナモンスティックが使われています。


シナモンコーヒーにシナモンを使う場合、パウダーを加える人がいますが、これではシナモンの香味が強く出過ぎてしまい、あまりよい方法とは言えません。スプーンの代わりにシナモンスティックを添え、これで撹拌させるだけでよいです。


シナモンパウダーと砂糖を混ぜたシナモンシュガーは、テーブルスパイスとして大変使いやすくて便利です。作り方の目安としては、(砂糖一カップ+シナモン大匙)の割合で加え、よく混合します。


砂糖はグラニュー糖が粉砂糖を。このシナモンシュガーはそのままコーヒーやティーに加えてもよく、クッキーや揚げパンに振りかけて使います。