読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

甘味、辛味、様々な芳香を楽しめるスパイス

食材の話 食材の話-スパイスの話

http://www.flickr.com/photos/40761412@N00/7877429516
photo by djwtwo

生育が難しく、貴重なスパイス、オールスパイス

オールスパイスはフトモモ科の常緑樹の果実を乾燥させたものです。原産地は中南米で、現在も生産地はジャマイカ、キューバ、ハイチ、グァテマラ、メキシコ、ホンジュラスなど中南米諸国に限られています。


レッドペッパーやペパーなどは世界的に熱帯、亜熱帯地域で広く生産されていますが、興味深いことにオールスパイスだけは中南米以外では栽培できないということです。東南アジアではたびたび栽培を試みたものの、いまだ成功していないようです。


このオールスパイスはコロンブスのアメリカ大陸発見後、別の探検家によって発見され、ヨーロッパにもたらされました。コロンブスは数回にわたって新大陸を探検し、オールスパイスが繁殖しているジャマイカ島にも少なくとも二度は寄港しているのですが、発見には至りませんでした。


当時のヨーロッパにはこの植物についての知識がなく、また季節的に果実が熟していなかったので気付かなかっただろうと言われていますが、ずいぶん大きなお金儲けのチャンスを見逃したものです。なにしろオールスパイスは、当時ヨーロッパで高額で取引きされていたスパイスーシナモン、クローブ、ナツメグの香味をすべて兼ね備えていたのですから。


この新種のスパイスは、球形の形状がペパーによく似ていることから、発見当時のスペインではペパーの一種と考えて、“ペパーの果実”を意味するピメンタと名付けられ、また俗名でジャマイカペパーとも呼ばれていたようです。


しかし、上に挙げた3つのスパイスをミックスしたような香味をもつところから、やがてオールスパイスと呼ばれるようになりました。中国名は、「三香子」、日本では「百味こしょう」といいます。

オールスパイスは甘味も辛味が含まれる

オールスパイスは若干の刺激感はありますが、ペパーのような辛味感はありません。芳香の主成分はオイゲノールで、独特の爽やかさと甘味、そしてほろ苦さに特徴があります。香味感がシナモン、クローブ、ナツメグと似ているので、向き料理も同じと考えていいのですが、甘、辛どちらの料理にも合う幅の広さを持っています。


ただ、オイゲノール由来の香りは日本人には好き嫌いが強く出る傾向があるので、香味んい慣れるまでは量を控え目に、そして料理の仕上げ時よりも下ごしらえや調理中に加える方が良いようです。慣れればさまざまな料理に使えます。

オールスパイスを上手に使いこなしかた

市販品には果実を乾燥させたホールタイプと、パウダーとがあり、いずれも幅広く使えます。


シチュー、スープ、ソース、マリネなどには、ホールをそのまま使うと香りがよく、特にスカンジナビア地方では、生のニシンをマリネにするのに欠かせないスパイスとなっています。


パウダーは挽肉と料理に用いたり、ドーナツ、クッキーなどのお菓子を作るとき、材料に練り込んで使います。


使い慣れるにはまず、香味の似ているシナモンやクローブ、ナツメグと併用してみるといいでしょう。例えば、ハンバーグにはよくナツメグを使いますが、一緒にオールスパイスも加えると、似た香味のマスキング効果によってナツメグ臭、オールスパイス臭が弱められ、嗜好性が高まります。


ちなみにアメリカ人はオールスパイスの香味をよく好み、トマトや果物、ジュースなどに振りかけて使うほど。東京のある有名ホテルでは、アメリカ人向きの料理に隠し味としてオールスパイスを使う工夫をしているといいます。

マスコット オールスパイスパウダー 27g

マスコット オールスパイスパウダー 27g