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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

ステーキをガーリックと一緒に炒めるわけ、ニンニクには肉の臭みを消す効果がある

http://www.flickr.com/photos/58246614@N00/199386734
photo by mdid

ガーリックは昔からその効果が知られていた

肉の臭み消しに最も効果があり、世界的に使われているスパイスはガーリック、つまりニンニクです。

ガーリックの名前の由来は、葉が槍(Gar)のように尖った植物(Leak)というアングロサクソン語に由来しています。数本の葉の間から高さ60~100cmに達する直立した茎を伸ばし、桃色の花をつけますが、ふつうは実を結びません。

スパイスとしては球根を用いるのが一般的です。夏には、球根に少し茎が生えたような「珠牙」が茎頂生えたものを使ったり、中国料理では発葉したていの若葉を使ったりもします。


ガーリックの歴史は古く、例えば紀元前4世紀に活躍したアレキサンダー大王の軍隊は、ガーリックを常食して連戦連勝の記録を打ち立てたとか、10世紀に十字軍の一員として大活躍したイタリア軍隊の将兵たちは、毎日ガーリックの一片を食べて勇気と鋭気を養った・・・といったエピソードが数多く残されています。

また、ペストが猛威をふるった18世紀のヨーロッパでは、「四泥棒の酢」という名のペスト予防薬が知られていましたが、その主要成分はガーリックでした。

ガーリックの効能は臭み消しと抗菌性

この例から分かるように、ガーリックは昔からスパイスとしてだけでなく、薬もしくはスタミナ食品としても広く使われ、そのイメージは現在も尾を引いているようです。実際、これまで信じられてきたガーリックの薬効の中には、最近の研究で科学的に効果が認められているものも少なくはありません。

例えば、ガーリックの精油は強い抗菌性を持っており、0.5%の水溶液は5分間でチフス菌を死滅させます。また、ガーリックのしぼり汁をブイヨン培養期中に3%の割合で混ぜたものは、各種の菌の発育をほとんど完全に阻止することが確認されています。つまり、作り置きのスープには、ガーリックを一緒に煮込んでおくことで、長持ちさせることができるのです。



ガーリックを使いこなすには数をこなすしかない

ともあれ、ガーリックは肉類の臭み消しに絶大な効果を発揮するだけでなく、料理に旨味やコクを添え、風味よく仕上げることができます。あの特有の刺激的な匂いやからみを嫌う人もいますが、これを切ったりおろしたりして細胞組織を破壊することによって生まれるアリシンという成分のため。これが肉類のタンパク質に作用して臭みを消すわけですが、10分間加熱すれば甘味を持つ別の成分へと変化します。

したがって、肉類の脱臭効果を期待するときは調理の仕上げに加えるのではなく、下ごしらえから調理中に加えた方が効果が上がります。ガーリック臭が苦手な人は、そのあと十分に油で炒めたり、煮込んだりして、熱を通せばよいわけです。


ガーリックは加熱によって辛味も刺激臭もなくなり、旨味としてコクだけが残ります。このことを知って料理にガーリックをうまく使いこなしたいものです。その応用範囲は広く、魚介類、鶏肉、畜肉など肉料理のほか、野菜炒めやサラダなどの野菜料理などにもマッチします。

一般的な使い方のコツは、はじめは使用量を少なくして十分に加熱し、香味感の変化を楽しみます。そして、使い方のコツが分かったら、徐々に使用量を増やしていくのがいいでしょう。

ガーリックの香味が好きな人は、そのまま切り刻むか、おろして薬味として用います。焼き肉のタレやサラダのドレッシングなどにごく少量を加えるだけで、十分に香味感が味わえます。

また、サラダ油、酢、醤油などに漬け込んでおけば、手軽にガーリックの風味が楽しめるでしょう。

乾燥したガーリックは生のガーリックよりも香りが弱いのですが、水を加えるとアリシンを生成する酵素が働き、特徴的な臭気が発現します。生のガーリックより、使い方は便利ですね。

にんにくスライサー

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