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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

甘いミカンを見分ける方法、ミカンを食べると黄色くなるのはなぜ?

食材の話 食材の話-果物の話

http://www.flickr.com/photos/40422902@N00/1964395971
photo by skyseeker

寒い季節になってくると、コタツに入ってみかんを食べるという人もいることでしょう。実は、食べる前から美味しいミカンを見分けるちょっとした方法があります。


日本でよく食べられているミカンというのは、「温州みかん」と呼ばれる品種です。温州とは中国の温州地方のことをさします。

ところが温州みかんは、温州地方の原産地ではありません。日本の鹿児島県の長島が原産地であると考えられています。温州ミカンの古木が長島にあることや、江戸時代に来日した医師のシーボルトが持ち帰った標本の中に、「ナガシマ」という温州みかんがあるからです。温州とは、有名な柑橘類の原産地である温州地方にあやかって付けられたみたいですが、日本オリジナルのミカンになります。

ミカンの白い筋は維管束

温州ミカン(以下、ミカン)の実の緑色のヘタを剥がすと、剥がした後のくぼみや取ったヘタの裏に穴が放射状に並んでいるのが見えます。この穴の数を数えると、皮をむかなくても、美濃房の数をほぼ間違えることなくあてることができます。


ヘタをはがした時に見える穴は、「維管束」という管の断面です。維管束とは中学の授業でも習ったと思いますが、根から吸収した水分や身ねられ鵜、葉っぱで作られた養分などが通る管のことです。


維管束はミカンの身にも伸びていて、下手を通って実の中の房に繋がっています。普通、ヘタを通る一つの維管束は、一つの房に繋がっています。このため、ヘタを取ったときに見える維管束の穴を数えると房の数が分かるというからくりです。


なお、ヘタを通って実の中に入った維管束は、白い筋となって房に張り付いています。私たちが食べる際に取り除く白い筋は、維管束なのです。維管束を通って房に運ばれてきた水分やミネラル、養分は房の中の「さじょう」という小さな袋に蓄えられます。この袋に溜まったものが果汁の正体です。

甘い実を見分ける方法とは

さて、本題に入りましょう。産地や品種、栽培方法、収穫時期が同じミカンを比べた場合、見た目から甘いミカンをある程度見分けることができます。


まず、皮の色の赤みが強い実の方が甘いとされます。赤い実の方が良く熟れている証拠だからです。また、露地栽培(普通の栽培)のミカンの、実の形がまんまるよりも、やや扁平の方が甘いミカンだと分かっています。


ただし、ミカンの皮の色や身の形は、品種や栽培方法によって特徴があります。もともとの皮の色の赤みが強い品種の場合、皮の色の赤みでは、甘い実を見分けることができません。また、マルチ栽培(木に与える水の量を調整するために地面をシートで覆った畑)のミカンの場合、甘さに関係になく実の形は丸くなりがちです。


甘い実を見分ける方法は、他にもあります。ヘタの軸が細い実や、大きさが小さい実、皮が薄くてきめ細かい実は、甘い確率が高いと言えます。このような実は、維管束を通って、運ばれてきた養分をより多く「さじょう」に蓄えていることが多いからです。


ヘタの軸が太い実は、勢いよく成長している枝に実っていたことを意味しています。養分が枝の成長に使われてしまい、実にはあまり養分が届いていない可能性があります。また、大きさが大きい実や、皮が厚くてきめが粗い実は、皮と房の間に隙間ができている実は、養分を皮の成長に使ってしまったり、余分に水分を吸ってしまった実になります。


そのため、さじょうには、あまり多くの養分が蓄えられていない可能性があるからです。

実を揉むと、甘くなるミカン

最近のミカンの実は、光センサーで甘さが測定され、特秀・秀・優・良などの等級に仕分けられています。良よりも下の等級の実が出荷されることはまずなく、このため味のばらつきはあまりありません。極端に酸っぱい実がコタツの上に置かれていることはないかもしれません。


それでも、実が酸っぱく感じられる人には、身を甘くする方法があります。実を日光に当てたり、湯に浸けたり、電子レンジにかけたり、焼いたりすることで甘くすることができます。面倒だという人には、食べる直前に実を揉むことで、甘さを強めることもできます。


ミカンの実は日光に当てたり、加熱したり、衝撃が加えられることで、実の細胞の呼吸が活発になります。syryと、実の酸味成分である「クエン酸」の分解が進み、酸っぱさが柔らかくなります。

その結果、ミカンの甘味成分である「スクロース」「グルコース」「フルクトース」などの塔をより強く感じられるようになり、実が甘くなったように感じられるはずです。甘味成分が増えるわけではなく、酸っぱい成分が減らすことができるのです。


ただし、クエン酸が分解される過程で、二酸化炭素やアンモニア、アルコールなどがつくられてしまうので、臭みが増してしまいます。また、加熱してしまうと、ビタミン類がわずかですが減ってしまうデメリットもあります。

色素が皮下脂肪にたまる

ミカンの実をたくさん食べてしまうと、顔や手が黄色くなるという話を聞いたことはありませんか?


ミカンの実には「β-クリプトキサンチン」と呼ばれる橙色の色素が多く含まれています。実をたくさん食べると、この色素が皮下脂肪のなどにたまるため、顔や手に関わらず、全身の皮膚が実際に黄色くなってしまいます。ミカンを食べるのをやめれば、また自然と元に戻ります。


最近の研究では、1日に3~4個以上のミカンの実を食べると、骨粗鬆症やメタボリックシンドローム、動脈硬化の予防につながるかもしれないことが分かってきました。β-クリプトキサンチンの働きによるものだと考えられており、研究が進められています。


美味しいミカンの実が病気の予防にもなるのなら、一石二鳥ですね。

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