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冷凍食品の品質と、冷凍保存について

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photo by massdistraction

冷凍食品の品質

冷凍食品は、今日では一般化した食材です。市販の冷凍食品に頼るだけでなく、下処理した食品素材や、調理した食品を自己で冷凍するということも行われるケースが増えています。料理に使用する冷凍食品はどのような品質が望ましいか、また、その品質を保つためにどのような工夫を行うかで最終的な料理の味に差が出てくるので注意が必要です。


冷凍食品の品質ですが、これはじっさいにはかなりのばらつきがあります。しかし、冷凍された状態を見るだけでは、どういう品質のものか見極めるのは大変に困難です。一見して冷凍状態や良いように見えても、冷凍する前の食事あの鮮度が低下していた場合があり得るからです。


また、一度冷凍してあったものでもサイズを揃えるために一旦解答したような品物もあります。こうしたものと、鮮度のよいものを短時間で冷凍したもとの比べたとしても、見た目は変わることなくても味には大きな差が生まれます。


そこで、まず、冷凍食品の冷凍条件と品質について考えてみたいと思います。


冷凍食品は、食材が新鮮な状態で、急速に冷凍されることがまず必要です。もちろん、食品の種類により、生のまま冷凍できるものと塩を添加したり、茹でるなどの処理をしてから冷凍する必要があるものとに分けられますが、いずれにしても鮮度の良いものを用いることが良い冷凍食品尾条件にあることは間違いありません。

冷凍食品の種類と特徴

生のままで冷凍する食品としては、魚や肉などタンパク質を主体とする動物性食品が主力となります。


これに対して野菜などの植物性の食品では、プランチングという加熱処理をした後に冷凍するものが多くあります。一方で、植物性の食品の中でも果物はそのまま冷凍します。ただし、冷凍により組織が破壊されるので解凍後はなもの状態とは味にかなりの差があります。


加工食品などのち、調味済みの食品尾場合は味に大きな変動はありませんが、うどんのようなデンプン性の食材では冷凍条件により味に差異が生じます。


うどんは、茹で上げた直後の熱い状態で急速に冷凍する方が好ましいです。なぜかというと、うどんを茹で上げたときにはうどんの表面は水分を多く含む内部はまだ表面より水分が少ない状態です。時間が経つと内部にも水分が多くなり、いわゆる伸びた状態となります。うどんを茹でてすぐに冷凍するというのは、うどんが伸びないうちに冷凍するということです。


うどんの場合は、現在では冷凍うどんの方が茹でたらものよりも味が良い状態にまで技術が進歩してきています。これだと湯通しさえ上手に行えば熟練を要しないで常に均一の味のうどんを作ることができます。

冷凍食品は保存状態に気を配る

冷凍食品の保存条件は、温度に細心の注意を払う必要があります。というのは、冷凍温度が良くないと冷凍食品の中の水の結晶が成長して大きな氷が食品中にできてしまうからです。その結果、例えば、生ものの冷凍食品では細胞の中の大きな氷の結晶が細胞膜を破ります。そのため、解凍したときに細胞内の液が流出します。この液体がドリップです。


ドリップが多く出る状態というのは、組織の破壊が行われて旨味成分をもった細胞内の液汁が流出することになるので味が大幅に減少します。


冷凍食品の中の氷の結晶が成長しないようにするためには、少なくともマイナス20℃以下で保存することが望ましいです。さらにこれより低い温度であることが好ましく、マイナス40℃で保存できればまず問題ありません。


温度だけではなく、冷凍食品の包装がきっちりと密着しているか、空間がるどうかでも品質に差が出ます。冷凍されている食品と包装の間に空間があるかどうかでも差が出ます。冷凍されている食品と包装の間に空間があると、氷は固体からいきなり期待へと変化しますが、これを昇華と言います。


昇華した気体は包装の内部に再び氷となって付着します。この現象が起こると、冷凍食品から水分が抜け、食品は乾燥した状態になります乾燥すると食品中の脂肪が酸化するから食品は酸化した脂肪の渋味のある不快な味を持つことになり品質は低下します。冷凍食品尾保存では包装がピッチリと密着しているかどうかも大切条件です。

自己で冷凍する場合の条件

自己で食材や調理品、半調理品を冷凍する場合には、食材あるいは調理品の内容の成分にういて気を付ける必要があります。冷凍することでトラブルの原因になるのは、デンプン、繊維、脂肪の少ないタンパク質食品などです。いずれも冷凍することで阻止区から水分が氷として離脱するから、質的な変化や脱水により口当たりに変化が生じます。


まず、デンプンを主体とする食品ですが、水部の離脱を防ぐには脂肪が多く含まれていることが望ましいです。冷凍のパイ生地が良い状態で保存できるのは脂肪の含量が高いからです。


生の魚でもマグロのトロや、挽肉などは冷凍で変化がしにくいです。これらは脂肪酸が細かく組織の中にあると、脂肪が邪魔をするので氷の結晶はできにくいのです。


玉ネギのみじん切りを冷凍する場合も油炒めしてから冷凍すれば品質の変化は少ないですが、これも脂肪の混合が冷凍のトラブルを防いでいるためです。


冷凍保存の場合、脂肪は多い方が良いですが、脂肪の少ない食品の品質を保つには食塩と砂糖の働きを利用すると良いでしょう。食塩も砂糖も氷の結晶ができにくい状態にする働きがあり、冷凍による品質の変化が防止できます。


例えば、卵黄や卵黄を含む卵液の冷凍品の場合、必ず多量の砂糖が含まれていますが、これは卵黄がそのままだと冷凍により性質に変化が生じるからです。砂糖を加えることで卵の変化が防止できるのです。冷凍のすり身も同様です。そのまま冷凍すれば弾力が消失しますが、砂糖を加えると弾力を保つことができます。ただし、液卵や冷凍すり身の冷凍食品の場合、この糖分は後で抜くことができないので甘さは覚悟の上で使用する必要があります。


タンパク質に砂糖を加えると品質変化が少ないという原理があるから、糖分の多いゼリーや卵焼きなども自分で冷凍できます。この他、つぶしたフルーツなども砂糖を加えておけば冷凍しても味の変化は少ないのです。


食塩も冷凍によるトラブルを防止するのに役立ちます。そこで、魚など自分で冷凍する場合、塩をしてから冷凍保存すれば品質を保つことができます。ひと塩干しの魚などはそのまま冷凍すれば品質が保持できます。



ブランチングの意味

野菜の冷凍食品には普通、ブランチングという下処理が行われています。ブランチングというのは、生の野菜に蒸気を当てるか、あるいは短時間のボイルで熱を通すことを言います。


この処理を行うことで野菜の繊維が硬くなることと、組織の方かにより解凍後ベタ付いた状態になることが防止できるのです。このブランチングの目的は生の野菜に含まれる酵素が働いて組織、とくに繊維を硬く変化させるのを防止することができます。


酵素は熱を加えると破壊されて働かなくなります。また、組織も熱を加えることで予め条件よく破壊されるから冷凍による不自然な組織の破壊とは違って状態が良く保てます。だから、自己で野菜などを冷凍する場合も、予めさっと茹でるか、電子レンジなどで短時間加熱するなどブランチングの処理を行ってから冷凍すると良い状態で保存できます。


グリーンピースやソラマメなどのように生のままだと短時間で味に変化が起こりやすい野菜は、さっと茹でて冷凍しておけば味の良い状態で保存できるので便利です。また、ホウレンソウなども裏漉しして使用する場合は、新鮮で味の良い状態のものを茹でて冷凍すると良い味を保つことができます。ホウレンソウは、時間の経過とともに渋味が出るから、このような冷凍処理が特に有効です。


野菜類の冷凍前のブランチング処理は十分な加熱はしない方が良いでしょう。というのは、解凍のときには、凍ったまま加熱すれば良い状態で解凍できるからです。つまり、2回の過熱が行われることになるので、解凍時の加熱の分も見越して控えめに加熱しておく方が良いのです。


市販の冷凍野菜についても、その点は配慮されているから、解凍時の加熱は、短時間ながらも半生の状態にならないように適当な加熱が必要です。