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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

料理に意外と使える茶の旨味

食材の話 食材の話-調味料の話 飲み物の話 飲み物の話-茶の話

http://www.flickr.com/photos/43515091@N08/5366424397
photo by Kinchan1

料理の味を増す“茶”の二つの成分

料理に“茶”を利用しているのは、味を良くする一つの方法です。
茶を使った料理というのはそれほど数は多くないが、例を挙げると洋風の料理では紅茶のソースがあるし、和風では小魚の甘露煮に番茶の抽出液を使ったりします。また、茶飯、茶粥なども、茶を利用した料理の一つです。


このような料理になぜ茶が使われるのかというと、これは、茶に含まれるタンニンという成分と、茶自体が持つ旨味というと二つの成分が、料理に良い効果を与えているからだと思われます。

タンニンとは?

タンニンというのは茶の渋味の成分であり、紅茶や緑茶のような茶葉に多く含まれています。また、タンニンは紅茶の場合ではその色の要素でもあります。これらの茶葉を浸出すれば、その液中には、かなりのタンニンが含まれることになります。


タンニンの作用として、茶を飲んだ後、口がさっぱりすることが挙げられます。これは、タンニンが口中に残っているタンパク質のかけらや口中粘膜、あるいは唾液中の成分を固めて洗い流しているからです。


つまり、タンニンがタンパク質と結合して、タンパク質を見ずに溶けにくい形に固めているのです。この、タンパク質を固めるというタンニンの性質を上手に利用すれば、料理の味を良くするいろいろな効果を得ることができます。

料理に欠かせない“タンニン”の作用

洋風料理には、紅茶で作られたソースがありますが、これを魚料理などに用いること料理の口当たりがさっぱりして、生臭みも感じなくなります。口当たりがさっぱりするのは、紅茶に含まれるタンニンが料理の表面を固めるため、どろりとした不快な感触がないからです。


しかも、このタンニンのタンパク質結合力は、ソースに使っているスパイス、ハーブの香りや、旨味成分などを料理の表面に十分つくように作用するので、ソースの味が料理に良くなじんでくれます。


和風料理の魚の甘露煮も、タンニンの作用がうまく利用されている例であります。甘露煮にする場合、魚の骨が柔らかくなるまで長時間になければなりませんが、茶で煮ることによって、タンニンが働いて魚肉タンパク質が良く固まり、長時間煮ても魚の形は崩れないのです。


さらに、タンニンは、血液が元となる臭いの消臭に効果があるので、魚を丸のまま煮る場合には欠かせません。


丸のままの魚は、腹やエラの部分、骨の付近にある血合い肉などに血液を多く含んでいるので生臭いのです。しかし、この生臭さの元である血液は、茶で煮ることによって、タンニンが固めるから、甘露煮はほとんど生臭みを残さずに仕上がるわけです。ちなみに、魚の甘露煮には比較的タンニンの含有量の多い番茶を使います。


赤ワインにもこれと同じ働きがあります。白ワインと異なり、赤ワインはブドウの皮や種の部分も一緒に発酵させて作られています。ブドウの皮や種にはタンニンが多く含まれており、これがワインの液中に溶けだしています。


そこで、赤ワインを肉にふりかけたり、ソースに加えたりすれば、タンニンが肉や血液に作用して、生臭みを消して口当たりを良くし、料理を美味しくしてくれるのです。

茶を料理に利用する方法

このように料理に茶を利用すると利点が多いのですが、通常の調理でそれほど多くは使われていません。その理由は、茶が飲料としてイメージが強いこと、そして何となく特定の料理に限って使用する者というような既成の概念があるからではないでしょうか。


しかし、飲み物としただけはなく、食べ物として茶の使い方を工夫すれば、タンニンの作用をもっといろいろな料理に活用できるはずです。

例えば、ワカサギ小海老の唐揚げを作るとき、これを茶の浸出液に浸してから揚げると、生臭みも少なく、さらりとした口当たりになります。こうした処理をしておけば、唐揚げにした後に調味酢に浸す南蛮漬けなどでも、長時間調味液に漬けておいても魚がドロリとした感触になりにくいという利点があります。


ニジマスやアユのような淡水魚は特有の臭いが気になりますが、レモン汁と一緒に、濃茶の浸出液を振りかけると消臭に効果があります。抹茶を白ワインに溶かして振りかけるのも良いです。また、衣をつけて揚げると場合は、衣の小麦粉に抹茶を混ぜておけば風味を良くするのに役立ちます。


その他、炭水魚や、タコのように魚体の表面にぬめりが強くあるものは、茶の浸出液でさっと湯通しすると良いです。ぬめりはタンパク質からできている粘膜質であるから、茶のタンニンが作用してさらりとした感じに仕上がるわけです。

料理には濃い目のお茶を使う

ところで、タンニンの作用を料理に活かそうとするなら、かなり濃い目に茶を煮だす必要があります。飲んで美味しく感じる濃度の茶は、食後の口をさっぱりさせるのに役立ちます。


しかし、料理にタンニンの効果を活かすためには、飲んでみてかなりの渋味を感じるような濃いものを使用するほうが良いでしょう。濃いお茶を飲むと口中が“シワッ”とした感じになりますが、これは、口の中の粘膜がタンニンで固まったためです。何とも言えない渋味と苦味を強く感じるものですが、料理にはこのくらいの濃度が必要とされるのです。



茶の旨味成分とは

ところで、茶は、タンニンの他にも料理に非常に効果のある旨味成分を持っています。茶飯や茶粥などを考えれば分かりますが、米の味に茶を加えるだけで旨味を感じ、わずかな漬物を添えるだけで美味しくご飯やお粥が食べられます。


これは茶に旨味成分が含まれるからです。このような茶の旨味成分は日本茶に多く含まれるが、これは茶の木の栽培法によるものであります。例えば、冬の間に窒素肥料を多く与え、しかも茶の芽が出る前に木の上に覆いかけて直射日光を避けた玉露のような茶には、多量のアミノ酸系の旨味成分が茶葉の中にできるのです。


ところで、茶飯や茶粥を作る際に、いったん出した後の茶葉をさらに煮出して使うことが多いようだが、これは昔の貧しい時代に、費用をかけずに料理を作ったその名残りであると思われます。


単に旨味成分をつけるだけの目的ならば、いったん出した後の茶など使わずに、煎茶など旨味成分の強いものを使った方が、より味わいのある飯や粥になるからです。

茶の旨味成分の上手な活かした方

茶の旨味成分は、“グルタミン酸”とグルタミン酸の化合物です。“テアニン”と呼ばれる物質です。いずれも少し甘味を帯びた旨味であり、特に緑茶に多く含まれます。番茶や紅茶、中国茶には、ほとんど含まれません。


グルタミン酸という旨味成は、イノシン酸という、また別の旨味成分と合わせると、さらに強い旨味を感じるようになります。


イノシン酸を多く含む食品の代表はカツオ節ですが、通常食べている魚や肉にもかなり含まれています。


イノシン酸は、生きている魚や処理したての肉にはあまり含まれず、死んで時間が経つほどに、その量が増えています。


最近の食肉や魚は輸入されたものが多く、また、短期間で肥育により太らせた家畜のものが出回っています。このようなものは旨味成分が少ないので、調理するときに旨味成分を補うと良いです。


この際、グルタミン酸などを主体とする旨味成分を利用しても良いが、茶を使えば自然尾グルタミン酸やテアニンの旨味成分を添加することができます。つまり、より自然の旨味成分を付けることができます。


ただし、旨味成分を増やそうとして、出汁やスープストックに茶を加えるのは良くありません。なぜなら、タンニンが、液中に含まれるタンパク質を固めてしまう恐れがあるからです。

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