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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

キノコの味と香りが料理を引き立てる魔法をかける

http://www.flickr.com/photos/71297346@N00/465391874
photo by polandeze

食材としての魅力の大きいキノコ

食用キノコの数は数千とも言われ、どれくらいあるか想像もつかないほど多いのです。そうしたキノコを上手く利用すれば料理が拡がることは間違いありません。

キノコはもともと“木の子”と表すが、これは森林などの木の多いところにできるからです。

また椎茸、松茸のように“タケ”と呼ぶものが多いのは、生長が非常に早く、たけだけしいところからついたものと言われます。

料理の幅を拡げる上で、キノコが利用しやすいのは、種類が豊富で、しかもその多くが人工栽培され、一年中入手しやすいことによります。

日本で栽培されているものは、椎茸、シメジ、なめこ、エノキタケ、マッシュルームなどが主で、最近では栽培が難しいといわれていた舞茸までも栽培に成功しています。キノコは今後も栽培により新しい品種が多く出てくるであろうし、輸入されるものも多くなってきています。

キノコは料理の味を引き立てる

キノコは、“旨味”と“香り”、それに“歯ざわり”の良さといった特徴を兼ね備えています。これが料理を引き立たせる理由があります。


キノコの旨味成分は「グアニル酸」が主で、肉や魚の旨味であるイノシン酸や、チーズ、昆布などの旨味成分であるグルタミン酸と一緒になると、味の相乗作用によって、旨味成分がグンと強くなります。


料理にキノコを少し加えるだけで、グアニル酸の働きで、美味しさが増すのです。ちなみにグルタミン酸9に対し、グアニル酸が1の割合のときに、大きな味の相乗作用が期待できるようです。


次に香りであるが、キノコの持つ香りは、微量であっても、料理全体の風味を引き立てる作用があります。これもキノコを料理に使うといい結果が得られる理由です。キノコごとに香りの効果が異なるので、いろいろなキノコを使うと特徴のある風味が楽しめます。

そして、歯ざわりですが、これもキノコごとに異なるので、それぞれの特徴を生かした使い方を工夫したいところです。

キノコは、風味や歯触りが良いだけでなく、歩にも人気となる要因があります。それはキノコのヘルシー性です。キノコは低エネルギー食として知られるが、その他にもいろいろな効用があります。

キノコのヘルシー性は健康志向の時代に合う

椎茸を例にとると、血中のコレステロールを減らす物質や、抗がん物質が含まれているようでした。キノコといえば、健康的な食品といったイメージが多くの人にありますが、このように“キノコは健康に良い、ヘルシーな食品である”というイメージを利用することで、料理のイメージも高めることに通じるはずです。


キノコにつていの各主成分は、現在のところ、あまり解明されていません。それだけに、何があるのか、まだまだ期待感があります。それは料理を心理的にも美味しく感じさせる大きな要素となるはずです。

キノコの特性を生かす調理のコツ

キノコを料理に使うとき、一般には、あまり火を通し過ぎない方が良いようです、加熱のし過ぎは、歯触りの良さを失わせる結果になりやすいのです。少しサクサクとしている方がキノコとの魅力が生きます。だから加熱調理をする場合、キノコは仕上げに近い段階で加えると良いのです。


香りの場合も、歯ざわりと同様です。香りの成分は、熱で蒸発しやく、そのため、良く加熱していると、香りが抜けてしまい、料理の風味が落ちてしまいがちです。


キノコの歯ざわりや香りを生かしたい料理のときには、調理の仕上げ段階で加えるといいです。


一方、キノコの味は、加熱時間とあまり関係がないが、やや長めに加熱する方が、かえって他の味成分と結合して、良い味に仕上がることが多いのです。このようにキノコの味自体を料理に生かしたい場合は、十分に煮るとか、焼くなどの加熱も問題はありません。


例えば、瓶詰や缶詰で輸入されている袋茸は、加熱殺菌されているので、香りは少なくっていますが、味は良いのです。このようなものは、料理の味の向上に利用できます。


マッシュルームを煮込み料理に利用するのも、この例と似ています。マッシュルームは、こういったときに香りよりも味をよりよくするために使用すると考えた方が良いでしょう。

キノコを料理にするときには、油はあまり多く使用しない方が良い風味の料理を楽しめる傾向があります。というのは、油は香り成分を包み込んでしまうからです。


キノコの中まで入ってしまうと、香り成分は蒸発してこなくなるので、せっかくのキノコの香りが楽しめないことになります。油を使用する料理にキノコを使う時は、加熱が終わりに近づいたときに加えるようにし、あとはさっと火を通せば、風味の良い料理に仕上がるはずです。

キノコを料理に使うときに必ずしも形を見せる必要はありません。キノコを細かく切って、その味や香りを他の食材に混ぜ込んで、両者の持つ風味を互いに引き立たせて、料理の味を良くすることもできます。


例えば、テリーヌがその例です。キノコをフードプロセッサーなどで細かく砕き、他の材料ともに合わせるという方法をとると、テリーヌの味を向上させることができます。


テリーヌの主材料とするとして魚介類を使用する場合、そこに味の良いキノコを混ぜる合わせることで、魚介類のイノシン酸やコハク酸の味と、キノコのグアニル酸の味が相乗的に作用し合い、より旨味のあるテリーヌに仕上がるわけです。




キノコを使う時の注意点

キノコを料理に使用するときは、天然のものの方が断然風味は良くなります。しかし、天然ものを使うときは、よく知られているものに限ることです。食用キノコによく似た毒キノコも多くあるからです。

キノコの読破神経を麻痺させるものがあり、幻覚を生じたり、昏睡状態に陥ったり安栖。また、消火器毒もあり、このようなものに当たると、激しい胃腸障害を起こすこともありますから、細心の注意が必要です。


天然のキノコに対して、栽培ものは、安全であることが確認されてあります。料理を提供する立場からすれば、料理の材料として使用するキノコは、栽培したものの方が安心です。


ただし、どうしても栽培できないものがありますから、そのようなものは天然ものを使わざるを得ませんが、高価すぎて利用しにくい場合が多いのです。松茸やトリュフなどがその例です。


近年、バイオテクノロジーの技術が向上し、キノコの分野にも入ってきて、いろいろなキノコが栽培されています。こういった新しいキノコを使うのも面白いと思います。


また、今ではまれににしか生えていなかったキノコの栽培によって多量に供給できるようになりました。ヤナギマツタケがそれの例です。形は松茸と全く似ていませんが、香りは松茸とよく似て強く、結構風味を楽しむことできます。


各地方を調べてみると、クリタケやハツタケなどのように味や香りが良くて、料理の材料に活用できるキノコを見つけることができます。このように地方食農強いキノコを料理に使用すれば、個性の強い料理を作ることも可能です。

キノコに関してはまだまだ一般に知られていない種類が多いので、色々と探してみてはどうでしょう。