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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

赤唐辛子の辛味を生かした料理を心得るべし

http://www.flickr.com/photos/126520912@N02/14726976819
photo by Cody Choi

赤唐辛子の辛みの特徴

赤唐辛子(レッドペッパー)は、調理にとって非常に重要な香辛料の一つです。特有の辛みと甘味を感じるその味は、料理に特別な味を与えるだけでなく、材料の持つイヤな臭い・癖を隠し、料理をより美味しく感じさせる効果があります。


とくに、臭いにクセのある材料を使用する場合や、独特の辛みを楽しむといった料理には、欠かせない香辛料です。

赤唐辛子以外で辛みのある香辛料や野菜には、ワサビやマスタード、山椒、大根などがありますが、これらの辛味成分と赤唐辛子の辛味成分とは全く性質の異なるものになります。


赤唐辛子以外の辛味成分は蒸発しやすい性質で、時間とともに辛味は消えてしまいますが、赤唐辛子の辛味は反対に蒸発しにくいといった性質があります。


過熱した場合でも同様で、ワサビやマスタードは辛さがなくなりますが、赤唐辛子の辛味は過熱による影響を全く受けません。この点が赤唐辛子の大きな特徴といえます。

赤唐辛子の辛味成分の秘密は“カプサイシン”

赤唐辛子の辛味成分は“カプサイシン”と呼ばれるものです。カプサイシンの純粋な成分は白い粉末状で、水には溶けにくいが油にはよく溶ける性質を持っています。この性質を利用した調味料に“ラー油”があります。


ラー油は、ごま油を加熱し、その中に“鷹の爪”などの辛味の特につよい唐辛子を加えて、辛味成分と赤い色素を油の中に抽出させたものです。


カプサイシンの特徴は、先に挙げたように蒸発しにくいことにあります。それは、カプサイシンの純粋な粉末を直接加熱すると油状になることからも分かります。カプサイシンのもう一つの特徴は、辛味は強いが、ワサビのようにツーンとくる刺激ではなく、どちらかというと甘味を感じるような点にあります。

赤唐辛子の辛味は品種によってかなり違う

赤唐辛子は、ラテンアメリカ原産の植物で、もともとはヨーロッパや東洋にはなかった食材です。コロンブスのアメリカ大陸の発見を契機にして、スペインのそれらの地域の浸出によってヨーロッパにもたらされた植物です。


唐辛子は、変異が激しい植物で、ヨーロッパに持ち帰られた、たった一種のものから、無数の唐辛子の仲間が生まれました。もちろん、原産地の中南米でも、驚くほどの多種類の唐辛子が存在しています。


辛さも違えば、形や大きさも違います。特に、辛さの違いは非常に幅がありますが、どの品種もカプサイシンが辛味の元であることには間違いありません。


この辛さの違いには、特に注意が必要で微妙に料理の味に影響します。辛さの強い弱いもありますし、甘味の感じ方にも当然差がでます。だからこそ、この微妙な味の差を調理にうまく生かすことが大切になります。


したがって、料理人には、それぞれの唐辛子の特徴を知り、料理によって種類を使い分けすることが要求されます。


例えば、粉末の赤唐辛子でも、銘柄ごとに辛味や甘味に差があるし、粗く惹いたものと細かく挽いたものとでは、細かく挽いたものの方が辛味を感じるという性質があります。甘味の感じ方にも違いがあるので、上手に使い分けすることが大切なのです。


そこで、料理ごとに、どの種類の赤唐辛子が合うのか、そして、どういう使い方をすればよいのかといった工夫をしなければなりません。そこが、赤と宇賀氏を調理に使う上でのポイントとになるでしょう。


ただ、単に赤唐辛子を使えばよいというものではありません。

赤唐辛子が料理の味を良く変えるのはなぜか

赤唐辛子の魅力はなんといってもその辛さにあります。

辛味は、味覚に対して、もとの素材の味をある程度判別しにくくする作用があります。その一方で、辛味の魅力によって、味覚を満足させるということも同時に行うことができます。


豆腐の食べ方を例にとると、豆腐は水の味があまりよくない地域では、いくら良い大豆を使ったとしても、味の良いものには仕上がりません。これは豆腐の9割を水が占めるからです。


こうした味の良くない豆腐で湯豆腐を作った場合、普通のタレで食べたのではもう一つおいしくありません。ところが、タレにラー油を少し加えてみると、豆腐にラー油が絡みついて、味がぐんとよくなります。


ラー油には、唐辛子の他に、ゴマ油の風味も加わっていますが、赤唐辛子の味がプラスに作用していることも見逃せない。通常でもこのようなタレに、七味唐辛子を使用するのを見ても、赤唐辛子に味をよくするための効用があることが分かります。


そばやうどんを食べるときも、七味唐辛子を振った場合と、振らない場合とでは、味に大きな差の出ることは多くの人が体験していることです。その場合、一味唐辛子といって、赤唐辛子だけの粉末を加えることさえあります。


他にもスパゲティのソース類や“チリ・コン・カン”“トムヤンクン”などを始めてとする、いわゆるエスニック料理は、赤唐辛子なしでは成立しないといっても過言ではありません。


肉でも内臓などを使用する料理では、やはり赤唐辛子を使うことが多い。それは、内臓類は味が良いが、特有のにおいがあるのを、辛味の力で味覚に届きにくくするのは、赤唐辛子ならではの働きでしょう。



カプラ維新はタンパク質の消化を助ける

食事をした後の気分の良さは料理とは直接関係ないことのように思えるでしょうが、じつは食後の良し悪しというのは、料理の価値に対して、非常に大きな意味を持っています。
料理を食べた後に、いつまでも胃が重く、スッキリしない状態が続くと、再び、その料理を食べたいという欲求がなかなか起こりにくいものです。


こういう状態になりやすいのは、タンパク質の多い料理をたくさん食べたときなのですが、カプサイシンの胃液の分泌を促して消化を早める性質が役に立ちます。実験では、タンパク質とともにカプサイシンを与えた場合、与えていない場合よりも、胃から腸へ送られる食物の量が多く、しかも早いという結果が知られています。



肉料理などを量的に多く食べる場合には、カプサイシンの効用を生かし、食物の消化を早めることで食後の気分が良くなります。その結果、「もう一度、あの料理を食べたい」という欲求を起こさせることができるのです。

カプサイシンには、体温を変化させる効果がある

カプサイシンには、タンパク質の消化を促進するだけでなく、体を急速に温める効果があります。だから、寒いときにはカプサイシンの効用を生かせるように、赤唐辛子を上手く料理に使用しなければなりません。


基音の高い地域でも、料理に赤唐辛子を多用しますが、これはカプサインには体を温めた後、今度は体を冷やす効果もあるからです。暑さの激しいとき、冷たい料理に赤唐辛子を使い、ピリリとした辛味を効かせると、口当たりが良く食が進むだけでなく、後には涼しく感じるようになるという利点があります。


ついでにですが、パプリカも赤唐辛子の仲間になります。パプリカは赤唐辛子には劣ってしまいますが、同様の働きを持っています。だから、パプリカなども彩りとして使うだけではなく、それ以外の効果も期待して料理に利用したいものです。


現在の食材の状況をみると、冷凍品をはじめとする加工食品が多く、本当に生のままで、しかも鮮度の良いものとなるとなかなか入手し辛くなっているのが現状です。冷凍の段階を通ると、どうしても味が変化してしまします。また、養殖や肥育などの方法をとったものも、本当の旨味までにはなかなか得ることができません。


こういった時代には、味をよくする工夫を行う上で、高い効果を期待できるのが赤唐辛子ではないでしょうか。かプサインの持つ種々の効用を上手く利用することが、美味しさを追求する上での大切な鍵と言えるでしょう。

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