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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

栄養と理想の食事については、難しく考えたくない

http://www.flickr.com/photos/68711844@N07/15825302012
photo by Michael Stern

完璧な食事が難しいのは、人間の体の適応力はすごいから

このブログはこれから料理を楽しく作ることにスポットを当てて書いていきたいとおもっています。しかし、料理の最終目的としては、健康を維持し、いつまでも若く保つために必要な栄養素を確実に体に取り込むことも必要になります。


ただ、決して「野菜をもっと食べなさい!」とありきたり、または説教じみた内容に終始し、読者の方にウンザリもされたくありません。料理のおいしさ×健康を掛け合わせたテーマをこれからも書いていきたいと思っています。


人間の体は驚くほど適応能力に優れています。ほとんどの短時間で適応できますが、一般的には体によいものを食べると幸せで長生きでいられると言われています。

ただし、この体にいい食べ物とは何か、というと人それぞれに変わってきます。それは、個人の遺伝子、代謝、活動レベルによって個人にとって“いい食事”というものが変わってくるからです。


また、「完璧な食べ方」というのも定義することも難しいですね。人間の体は適応力があるためです。ダイエットをした経験がある人にヒアリングしてみると、体が慣れてしまいダイエット効果はある程度のところで停滞してしまいます。


人間の体は、非常に広範囲な食習慣に対応できるようになっています。言い換えれば、人間は理想的とは言えない食環境であっても、生き残れるように進化してきた結果と言えます。ニューヨーク・タイムズの過去の記事では、キャンディしか口にしなくても健康に生活できている男性の驚きの食生活について書かれていました。彼の体にはよっぽどキャンディが合っていたのでしょう、健康と食とはそれほどに一筋縄でいきません。簡単に理想的な食事とは何か、と決めつけるのはよくないと私は思っています。

理想の食事に近づくために

かといって、まったく理想的な食事については分からないという訳でもなく、2つの基本的なルールがあります。1.適量を食べること、2.健康な食品を食べること、の2つです。


モノが溢れる時代になったこともあって、現代人にとって、食べる量のコントロールが段々と難しくなっているように感じます。特に、居酒屋のメニューには、必要な量よりもはるかに多い傾向にありますし、人とコミュニケーションを取りながら、お酒を飲みながら料理を食べることで、食べる量が知らず知らずのうち増えていってしまっていることなんてよくある話ではないでしょうか。また、テレビの前のソファの前に陣取ってテレビを見ていると、口元が寂しくなって、ついついお菓子を手に取ってしまう人も多いはず。



腹八分とはよく言いますが、多少の満腹感を感じる程度まで食べられればそれでよく、決して苦しくなったり、胃がもたれるまで食べる必要はありません。礼儀の問題はあるとして、皿が空になるまで、食べ尽くす必要もありません。食べきれないと感じたら、冷蔵庫で保管して明日食べればよいだけのことです。


また、健康な食品を食べることは、さっきのキャンディばかり食べても大丈夫な人間のことは放っておいたとしても、体に完璧な食事のリストというものは残念ながら存在しませんが、穀物、野菜、魚、少量の肉などの自然食品を食べ、糖分や資質、そして塩分の多い加工食品の量は制限した方がよいでしょう。個人的には、食に関しては新しいよりも一世紀前から知られている食品を食べるのが一般的に良いという認識を持っています。


食べることには、2つの生理学的な理由があります。分解してエネルギーに変わる食品を体に供給するためと、細胞が機能するために必要な化合物を合成する材料を供給するためです。

最も簡単な栄養の話

最も単純なレベルでは、栄養は、タンパク質、資質、炭水化物などの「主要栄養素」と、微量元素やビタミンなどの「微量栄養素」に分けられます。この2つの栄養をバランスよく体に取り入れている限り、人は健康であり続けます。


両者とも体が同化に必要とする化合物ですが、料理の本を読んだり、食材を買いに行ったり、料理をするエネルギーを作り出すのは、主要栄養素の方です。バランスの良い食事を定期的に作っているのであれば、微量栄養素について心配する必要はたぶんないでしょう。


食物の中のエネルギー量は、一般的に「カロリー(Calorie)」という単位を使って表しています。1カロリーは、1gの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーです。


人の体に必要なカロリー量は、基礎代謝と活動レベルによって決まります。例えば、机の前にずっと座っている人は、教室や研究室の間を何度も移動しなければならない学生よりも消費カロリーは少ないでしょう。

いつも消費するよりも多くのカロリーを摂取していると、たとえ脂肪を食べていなくても過剰カロリーが脂肪分に変わります。低脂肪をうたった甘いファーストフードは、「脂肪が増えない」食品では「ない」です。


逆に消費カロリーの方が多いと、体重が減るか、代謝が低下します。つまり、同化や異化に関連する化学反応の速度が遅くなり、元気がなくなってしまうのです。摂取カロリーがあまりにも少ない期間が長期間続くと、栄養失調になってしまいます。


エネルギーという意味ではどんなカロリーも同じですが、人はエネルギーだけのために食べるわけではありません。人間の体は、特定の目的のために様々な種類の栄養素を必要とします。例えば、タンパク質は筋肉を作り、補修するために必要なアミノ酸を供給します。


炭水化物しか食べない人は、長生きできないでしょう。スポーツのトレーニングや妊娠中など、食事に特別な配慮を必要とする以外は、恐らく十分な量のたんぱく質と資質を摂取できているはずです。


すべての資質が同じではありません。炭水化物も同じです。一般的には、室温で液体の資質がよく、炭水化物は精白されていないものがいいです。食物には様々な栄養素が含まれますが、量の問題です。


塩分は、少なければ問題はありませんが、多すぎると死を招きます。加工食品は、均一な味と保存性を優先して作られているため、通常は栄養が犠牲にされています。精白小麦粉にも欠点があります。健康に良い胚芽とふすまが取り除かれているからです。それでも体がカロリーを求めている場合には、何も食べないよりは加工食品を食べた方がよいですし、たまにブラウニーを食べるのは決して毒にはなりません。

栄養と理想の食事については悩みたくない

ここまで読んでも夕食のメニューを考えあぐねている人は、マイケル・ポーランが書いたニューヨーク・タイムズに書いた次の文章(2009年8月2日、「Out of the Kitchen, Onto the Couch」)にこんなことが書いてありました。

私は食品マーケティング研究者のハリー・バルザー氏に、加工食品に代表される現代の食事をもたらした健康へ悪影響をアメリカ人が帳消しにし、理想的な食生活を送るにはどうすればよいかと尋ねました。



「簡単だよ。アメリカ人に食べ過ぎないようにして欲しいんだろう?こんな方法あります。すぐにできて簡単な方法があるよ。自分で料理すればいい。それだけ。料理する気があるなら、何を食べても大丈夫だ。」

結局、理想の食事を簡単に考えると、自分の食べたいものは自分で作る、これが理想。

料理を完成した満足感と、料理を美味しく味わった満足感で、食べ過ぎずに満足できます。自分で食材を選ぶから、加工品を使わず過度な塩分摂取が抑えられますからね。

太一×ケンタロウ 男子ごはんの本 その3

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