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Love Lab Kitchen

~料理に少しのサイエンスを、キッチンにクリエイティブを〜

味噌は貴方の料理の個性を作ることができる調味料

食材の話 食材の話-調味料の話

http://www.flickr.com/photos/32998630@N00/8086089
photo by aneequs

味噌は味噌だけで料理

味噌は塩味を持つ調味料の中では、かなり異質な存在です。

その理由は、次の二つに理由があります。
・味噌が料理として主役になることができる
・原料の塩に味が影響されない

味噌自体が主体となる料理としては、“朴歯味噌”のような焼き味噌が良い例ですね。生味噌でも食べられなくはないですが、これでは調理したことにはなりません。


しかし、焼き味噌にすれば、焼くという調理をするので、立派な料理です。しかも、味噌の焼加減は、味噌の味によるところが大きいので、この点でも味噌は立派な食材にもなれる調味料です。

他に、味噌を少し加工し、味を付けたり、いろんな材料を刻んで加えたりした、なめ味噌もあります。


さらに、味噌の味が料理の味を決定的にしているものとしては、みそ汁や味噌煮が挙げられる。味噌汁には出汁と貝などの食材が加わるとはいえ、味噌の味が美味しさを大きく支配しています。だから、どんなに良い出汁を使ったとしても、味噌の味が良くなければ意味がありません。


味噌煮もみそ汁と同じで、味噌の味が味噌の出来具合を左右します。例えば、サバやコイのような癖のある匂いを持つ魚は味噌煮にすることが多いですが、それは味噌の風味が強いからこそ可能になります。


醤油の場合だと、佃煮のようにかなり煮詰めないと魚のにおいの癖を消すまでには至りません。


このように、味噌は塩味を持ちますが、それ以上に風味が強いからこそ、食材として調味料としてどちらにも存在することができるのです。

味噌は実は粒子状

味噌が他の調味料と異なるのは、先に述べたように強い風味にありますが、その風味は味噌の粒子が大きく影響しています。粒子と味の関係は、なかなか気付きにくいところですが、次のような操作を行うことで、味噌の風味と粒子の関係性が良くわかります。


まず味噌を細かいフィルターペーパーで漉してみて下さい。フィルターペーパーからドリップされる液体はみそ汁とは違い、透明に近い薄い褐色です。ちょうど淡口醤油のような色合いです。この液を試しに飲んでみると分かりますが、まるでスープのような味わいです。


もともと醤油のない時代には、これと似たような方法で調味液を作っていたそうです。作り方は、まず味噌を湯に溶いてから、少し煮出す。それを布で漉すのですが、ドリップした液を“すまし汁”と呼んで、料理の味付け用に醤油のように利用していました。このすまし汁は、近年まで、東北の限られた地方ではあるが、特別の行事料理を作るときに用いていたようです。


こうしてみると、味噌は、粒子がかなり味の主役として働いていることが分かります。つまり、味噌にとっては粒子が大切なもので、調理上もその粒子の影響を考慮しなければなりません。


粒味噌を使用するときは、普通すり鉢ですりますが、そのすり加減も味噌の味に大きく影響してくることが当然として考えられます。


現在では、すり終わった状態の漉し味噌が多く市販されていますが、粒を残してあるものもあります。味噌は、自分で手加減して、すり鉢ですることで、事故の味を出すことができる調味料になります。料理の差別化・ひと手間を加えたいと考えるのなら、既に漉された漉し味噌を使うのではなく、粒の粗い味噌を使うと良いでしょう。

味噌と醤油の共通点

みそ汁を越したすまし汁が、淡口醤油に誓い味を持っているのは、味噌と醤油の間には共通した味が存在するからです。ただし、これは現在、日本で使われている味噌と醤油を前提にした話です。

中国で作られ始めた本来の味噌は、原料の大豆に食塩を加えて発酵熟成されたもので、現在の日本の味噌とは違っています。また、醤油も、中国では魚醤や大豆醤といったものが主流で、現在の日本のものとは多少異なります。


魚醤とは魚と食塩を材料に発酵させた調味料ですが、日本で発達した醤油は、植物性の材料だけからできています。


日本の味噌や醤油には、中国のものと違って大豆意外に麦やコメが加わるから日本で発展した独自の調味料であると言えます。


こうしてみると、原材料の段階で味噌と醤油には、共通点が多いことに気が付くはずです。

味噌も醤油も、旨味成分として、もっとも強く表面的に関居るのはグルタミン酸です。材料のたんぱく質を分解するとアミノ酸ができますが、旨味成分で味を作るのはグルタミン酸です。


このことを知っていると味噌と醤油とを用途を上手く使いこなすことができます。例えば、醤油に少量の味噌を加えるとか、反対に味噌煮少量の醤油を加えて味に変化をもたらせるなどです。

また、先に紹介したように、昔のすまし汁の手法で味噌の液を作って、これを醤油と混ぜ合わせて使ったりすることも、新しい味を出す上で良いかもしれません。

味噌は塩の違いに影響されない

味噌の持つ塩味は、醤油の塩味とは違い、原料の塩による差がほとんどありません。醤油や食塩の場合は、どのような塩が使われるかで愛児に大きな違いがでますが、味噌は食塩による味の差はほとんどありません。


その理由は、初めにもかいたように、味噌は独特の強烈な風味に加えて、粒子が味の上で大きな役割を持っているからです。


そのうえ、醤油はある程度種類が限定されていますが、味噌は醤油よりもさらに種類があります。

味噌にまつわる言葉で、“手前味噌”という言葉がります。その言葉の由来は、昔は各家庭で主婦が味噌造りを行うのが普通の慣わしであったが、主婦たちが集まって井戸端会議をするときに、手前(自分)の味噌が一番おいしいと自慢することから、自画自賛することを手前味噌というようになったそうです。ただし、味噌を切らしてしまったりすると、良い主婦とはみられなかったということです。


手前味噌という言葉がある背景には、味噌はたとえ同じ地域で同じ材料から造られても、発行や熟成のときの温度条件、さらにはいつ仕込むとかいうことなども、味噌の味に差異を生じることが原因となったからです。

味噌を使えばそれだけで料理のひと手間

以上のことから分かるように、料理の材料として味噌を使うことは、自己の味の主張する良い機会になります。


例えば、スパゲティのソースに、味噌を少量加えるとか、先に紹介したすまし汁を、ソースの素材であるスープストックの一部に利用することもできます。


また、食塩の味の物足りなさを、味噌の強い個性でカバーすることも可能です。

味噌には、トマトソースなどにもよく合う性質があります。これは、トマトには味噌と同類のアミノ酸、すなわちグルタミンさんがかなり含まれているからです。


グルタミン酸はチーズにも多く含まれます。こういった同種の味を持っているもの同士を組み合わせて上手く利用すると独特の風味を持つオリジナルのソースを作ることができます。

味噌は非常に種類が多い上に、日本で一般に使われている高純度の塩の物足りない味を補う効果が高いため、自己の料理の特徴を出せる武器にとしての利用価値は、まだまだ大きいと言えます。

和風の料理にこだわらず、味噌と相性のよい食材や調理法を探ってみると面白い料理がこれらから生み出されていくのではないでしょうか。

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